「~を兼ねて」と「~ついでに」
「~を兼ねて」と「~ついでに」は、どちらも一つの行動と、もう一つの目的・行動が関係する表現です。ただし、二つの関係は違います。
「~ついでに」は主な用事の機会に、別のこともする表現です。
まずはざっくり違いを確認
| 表現 | 意味 | 特徴 |
|---|---|---|
| ~を兼ねて | 一つの行動に二つの目的・役割を持たせる | 計画的。やや改まった表現 |
| ~ついでに | 主な用事の機会に、別のこともする | 日常的。おまけ・付け足しの感じ |

1.「~を兼ねて」:最初から二つの目的がある
「~を兼ねて」は、一つの行動に二つの目的や役割を持たせるときに使います。
接続:名詞+を兼ねて
- 運動を兼ねて、会社まで歩いて行きます。
- お礼を兼ねて、先生を食事にお招きしました。
- あいさつを兼ねて、先輩の研究室を訪ねました。
- 旅行を兼ねて、地方の学会に参加しました。
たとえば「運動を兼ねて、会社まで歩いて行きます」は、会社へ行くことだけでなく、運動することも目的です。一つの行動に二つの意味を持たせています。
「~を兼ねて」は、日常会話でも使えますが、少し説明的で改まった印象があります。
2.「~ついでに」:主な用事の機会に、別のこともする
「~ついでに」は、何かをする機会を利用して、ほかのこともするときに使います。
接続:動詞辞書形/た形+ついでに
名詞+のついでに
- 銀行に行くついでに、スーパーにも寄りました。
- 駅まで来たついでに、本屋をのぞいてみました。
- 買い物のついでに、クリーニング屋にも行きました。
- 先生の研究室に行ったついでに、レポートも出しました。
「銀行に行くついでに、スーパーにも寄りました」では、メインは銀行に行くことです。スーパーに寄るのは、その機会を利用した追加の行動です。
3.二つの違い
| 比較ポイント | ~を兼ねて | ~ついでに |
|---|---|---|
| 目的の関係 | 二つの目的を意識する | 一つが主で、もう一つは付随的 |
| 計画性 | 最初から考えている | 機会を利用する |
| 文体 | やや硬い | 会話的 |
4.似た場面で比べてみよう
運動を兼ねて、駅まで歩きました。
→ 「駅へ行くこと」と「運動すること」の二つが目的です。
駅へ行くついでに、郵便局にも寄りました。
→ 「駅へ行く」のがメインで、「郵便局に寄る」はそのついでです。
お礼を兼ねて、先生に食事をごちそうしました。
→ 食事そのものが、お礼の意味も持っています。
先生に会ったついでに、お土産を渡しました。
→ 主な行動は「先生に会うこと」で、お土産を渡すのは追加の行動です。
5.置き換えられない場合
銀行に行くついでに、スーパーにも寄りました。
これは自然ですが、×銀行を兼ねて、スーパーに寄りましたとは言えません。
「~を兼ねて」は、一つの行動が二つの目的を持つ表現です。銀行とスーパーのように、別々の用事を並べるだけでは使えません。
6.学習者が間違えやすいポイント
① 「~を兼ねて」は名詞につく
「兼ねて」は基本的に名詞+を兼ねての形です。
- 運動を兼ねて、歩く。
- あいさつを兼ねて、訪問する。
×行く兼ねてのようには言いません。
② 「~ついでに」は動詞にも名詞にもつく
- 買い物に行くついでに、薬局にも寄る。
- 買い物のついでに、薬局にも寄る。
③ 「ついでに」は軽く聞こえることがある
「ついでに」は便利な表現ですが、相手への依頼では、場合によっては簡単なお願いのように聞こえることがあります。
7.まとめ
- ~を兼ねて:一つの行動に二つの目的を持たせる
- ~ついでに:主な用事の機会に、別のこともする
例文を読むときは、どちらがメインの目的かを考えると、違いがはっきりします。

以上です。



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