「~により」と「~による」
「~により」と「~による」を比較しましょう。
どちらも意味の中心は似ていて、原因・理由、手段、動作主などを表せます。しかし、使い方にははっきりした違いがあります。
- 台風により、試合は中止になりました。
- 台風による試合の中止

結論:
「~により」は文につなぐ言い方。
「~による」は後ろの名詞を修飾する言い方です。
「~により」は文につなぐ言い方。
「~による」は後ろの名詞を修飾する言い方です。
1.「~により」と「~による」の基本の違い
| 項目 | ~により | ~による |
|---|---|---|
| 後ろに来るもの | 文・述語 | 名詞 |
| 働き | 文全体につながる | 名詞を説明する |
| 例 | 大雨により、電車が遅れた。 | 大雨による電車の遅れ |
つまり、
- 「~により」=そのあとに文が続く
- 「~による」=そのあとに名詞が続く
「により」は文につなぐ。
「による」は名詞につなぐ。
まずはこの1点をしっかり覚えましょう。
「による」は名詞につなぐ。
まずはこの1点をしっかり覚えましょう。
2.「~により」の意味と使い方
「~により」は、少しかたい表現で、主に書き言葉で使われます。意味としては、次のようなものがあります。
① 原因・理由
「何が原因でそうなったか」を表します。
- 大雨により、試合は中止になった。
- 事故により、道路が通行止めになっている。
- 台風により、多くの家が被害を受けた。
② 手段・方法
「何を使って」「どんな方法で」という意味です。
- インターネットにより、世界中の情報が集められる。
- アンケート調査により、学生の意見を知ることができた。
- 最新技術により、作業時間が短くなった。
③ 動作主
受け身の文で、「誰によってされたか」を表すことがあります。
- この寺は有名な建築家により建てられた。
- その絵は若い画家により描かれた。
- 新しい制度は政府により発表された。
3.「~による」の意味と使い方
「~による」も意味はほぼ同じですが、後ろに名詞が来るのがポイントです。つまり、名詞を説明する形になります。
① 原因・理由
- 大雨による試合の中止
- 事故による道路の通行止め
- 台風による被害
② 手段・方法
- インターネットによる情報収集
- アンケート調査による分析
- 最新技術による生産の効率化
③ 動作主
- 有名な建築家による設計
- 若い画家による作品
- 政府による新制度の発表
意味は近くても、形は違います。
「~による」の後ろには、必ず名詞が来ます。
「~による」の後ろには、必ず名詞が来ます。
4.ペアで見ると違いがわかりやすい
次のように、同じ内容を「文」か「名詞」かで言い換えることができます。
| ~により(文) | ~による(名詞) |
|---|---|
| 大雨により、電車が遅れた。 | 大雨による電車の遅れ |
| 事故により、けが人が出た。 | 事故によるけが |
| AIにより、多くの作業が自動化された。 | AIによる作業の自動化 |
| その建物は有名な建築家により設計された。 | 有名な建築家による設計 |
5.学習者がよくする間違い
特によくあるのは、「による」の後ろに文を置いてしまう間違いです。
- ❌ 大雨による、電車が遅れました。
- ⭕ 大雨により、電車が遅れました。
- ⭕ 大雨による電車の遅れがありました。
- ❌ AIによる、仕事が速くなりました。
- ⭕ AIにより、仕事が速くなりました。
- ⭕ AIによる業務の効率化が進んでいます。
「~による」のあとに文は来ません。
「~による」のあとには名詞が必要です。
「~による」のあとには名詞が必要です。
6.「~によって」との関係
「~により」は、会話でよく使う「~によって」と意味がとても近いです。
ただし、「~により」のほうがかたく、説明文・ニュース・案内文などでよく使われます。
- 台風によって、試合は中止になった。〔会話でも自然〕
- 台風により、試合は中止になった。〔ややかたい〕
N3の段階では、まず「により/による」の形の違いを押さえれば十分です。
7.使い分け練習
( )に「により」または「による」を入れてみましょう。
- 地震( )、建物が倒れた。
- 地震( )被害が広がっている。
- このシステムは最新技術( )開発された。
- 最新技術( )新しいシステム
答え
- 1.により
- 2.による
- 3.により
- 4.による
8.まとめ
| 表現 | ポイント |
|---|---|
| ~により | 文につなぐ。後ろに述語が来る。 |
| ~による | 名詞につなぐ。後ろに名詞が来る。 |
| 共通点 | 原因・理由、手段、動作主などを表せる。 |
| 文体 | どちらもややかたい書き言葉でよく使う。 |
最後にもう一度:
「大雨により、電車が遅れた。」はOK。
「大雨による電車の遅れ」もOK。
文なら「により」、名詞なら「による」です。
「大雨により、電車が遅れた。」はOK。
「大雨による電車の遅れ」もOK。
文なら「により」、名詞なら「による」です。
この2つは形の違いが分かれば、かなり使いやすくなります。例文をセットで覚えて、自然に使い分けられるようにしましょう。
▼関連記事

以上です。



コメント