「~向きだ」と「~向けだ」の違い|適している?対象にしている?〔N3文法〕

「~向きだ」「~向けだ」N3

「~向きだ」と「~向けだ」

「初心者向きです」「初心者向けです」は、意味は似ています。違うのは、見ているポイントです。本記事では、「~向きだ」と「~向けだ」の違いをやさしく整理します。

向き=その人・物に合っている(適性)/ 向け=その人たちを対象にしている(対象)

まずは一言で違いを言うと、「~向きだ」は「~に適している」、「~向けだ」は「~を対象にしている」ということです。

文法意味一言でいうと
~向きだその人・物に合っている適している
~向けだその人たちを対象にしている対象にしている

例文

  • この本は初心者向きです。
    → 初心者に合っている本です。
  • この本は初心者向けです。
    → 初心者を対象にして作られた本です。

「向きだ」「向けだ」簡単イラスト

1.「~向きだ」=合っている・適している

「~向きだ」は、その人や物の性質・特徴を見て、「合っている」と判断するときに使います。

「~向きだ」は、性質を見て「向いている」と言う表現です。

例文

  • この仕事は、体力のある人向きです。
  • この町は、静かに暮らしたい人向きです。
  • この本は、初級学習者向きです。
  • 彼は教師向きです。

最後の「彼は教師向きです」は、彼の性格や能力が教師に合っているという意味です。

「~向きだ」でよく使うもの

  • 人:初心者向き、子ども向き、若い人向き
  • 仕事:教師向き、営業向き
  • 場所・物:家族向きの家、旅行向きの靴

2.「~向けだ」=対象にしている

「~向けだ」は、ある人たちのために作られている・用意されているという意味です。

「~向けだ」は、作る側・用意する側が「誰のためか」を考えている表現です。

例文

  • この本は初心者向けです。
  • これは子ども向けのアニメです。
  • この日本語教室は外国人向けです。
  • 高齢者向けにスマホ教室が開かれました。

つまり、「~向けだ」は本・商品・サービス・授業・案内・番組などによく使われます。

「~向けだ」でよく使うもの

  • 本:初心者向けの本
  • 商品:女性向けの商品
  • 授業・講座:留学生向けの授業
  • サービス:観光客向けのサービス

3.同じ名詞でも、意味が少し違う

「向き」と「向け」は、同じ言葉の後ろにつくこともあります。その場合は、意味の違いをしっかり見ましょう。

意味
この本は初心者向きです。内容がやさしく、初心者に合っている。
この本は初心者向けです。初心者を対象にして作られている。
この映画は子ども向きです。内容が子どもに合っている。
この映画は子ども向けです。子どもを対象にして作られている。

このように、向き=合っている向け=対象にしていると考えると分かりやすいです。

4.特に気をつけたいポイント

① 人の性格・能力には「~向きだ」

人がある仕事や役割に合っていると言いたいときは、ふつう「~向きだ」を使います。

  • 彼は教師向きです。
  • 彼女はリーダー向きではありません。

一方で、「教師向け」「リーダー向け」は、教師やリーダーのための本・研修・商品という意味になります。

  • この雑誌は日本語教師向けです。
  • この研修は管理職向けです。

② 「~向け」は「の」「に」とよく一緒に使う

  • 外国人向けの案内
  • 初心者向けに説明する

特に会話や文章では、「~向けの+名詞」「~向けに+動詞」の形がよく出ます。

人に合っているかを見るなら「向き」/ 誰のために作ったかを見るなら「向け」

5.よくある間違い

不自然自然理由
彼は教師向けだ。彼は教師向きだ。人の適性を言っているから。
この雑誌は学生向きに作られた。この雑誌は学生向けに作られた。対象を決めて作っているから。

6.まとめ

文法意味よく使う場面
~向きだ合っている・適している人の性格・能力、物の性質、場所の特徴など
~向けだ対象にしている本、授業、商品、サービス、案内など

最後にもう一度まとめると、

「~向きだ」=合っている
「~向けだ」=対象にしている

この2つはとても似ていますが、違いが分かると、文章も会話もぐっと自然になります。特に、人の適性なら「向き」本や商品などの対象なら「向け」、この2点をまずしっかり覚えましょう。

「向きだ」「向けだ」まとめ

以上です。

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