仏教由来の言葉

仏教由来の言葉Ⅱ

仏教由来の言葉は以前「出世、親切、我慢、迷惑、道楽、退屈」なとをご紹介しました。今回はその続編です。

会釈(えしゃく)

① 軽く頭を下げて礼をすること
② 人を思いやること 「遠慮会釈なくやっつける」
会釈する人「和会通釈(わえつうしゃく)」という言葉から来ています。和会通釈とは、矛盾した教義を突き合わせ、両立可能な深い理解を導き出すこと。そこからの意味の変化は明らかではありませんが、統一的解釈のために、相手方の事情の理解、斟酌の意味となり、そこから対応・挨拶の意味が生まれたと考えられています。

畜生(ちくしょう)

① 鳥・獣・虫・魚の総称。特に、けだもの。
② 人を憎みののしる言葉。また失敗などを悔しがる言葉。ちきしょう。
畜生 仏教では、すべての生き物は三界六道(さんがいろくどう)の中で死と再生を繰り返すと考えられています。これを輪廻(りんね)と呼びます。
 「畜生道」は生前に悪行をなした者が行く世界です。六道(地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天上道)の中で地獄道、餓鬼道よりはランクが上ですが、禽獣(=畜生)の姿に生まれて苦しみます。

有頂天(うちょうてん)

喜びや得意の絶頂にいて、他をかえりみないこと

 有頂天欲界、色界、無色界の三界(さんがい)のうち、色界の頂点である色究竟天(しきくきょうてん)、または無色界の最上の非想(ひそう)、非非想処天(ひひそうじょてん)のことを有頂天といいます。最上の場所に登り詰めるということ意味で使われるようになり、やがて悪い意味が加わって、”いい気になる”というニュアンスを持つ言葉となりました。

愛嬌(あいきょう)

にこやかで、親しみやすさやかわいらしさがあること
 愛嬌仏教語の「愛敬相(あいぎょうそう)」からきています。「愛敬相」は仏・菩薩の慈愛に満ちた優しく温和な相貌のことです。そこから転じて、顔かたちのにこやかで愛らしい様をいうようになり、さらに広く、表情・言語・態度などについても言うようになりました。

縁起(えんぎ)

① すべてのものは、他のものとの縁によって起こるということ。
② 寺社・仏像・宝物などの由来。また、それを記したもの。「神社の縁起を聞く」
縁起 「縁起」は「因縁生起」の意味で、因縁によって生起すること、が原義です。そこから物事、特に社寺・仏像などの起源・由来(を記した文書類)の意味にも使われるようになりました。
 「縁起が良い(悪い)」のような幸・不幸の前兆をいう用法は、近世以降に派生したもののようです。

億劫(おっくう)

めんどうで気が進まないさま 「わざわざ出かけるのは億劫だ」
 億劫「億劫」の「劫」は、極めて長い時間を意味する。それが「億」あるので、はかり知れないほどの長い時間を意味することになります。
 長い時間がかかる→時間がかかってやりきれない、というところから「面倒だ」という意味が生じたようです。
 「億劫」(おくこう)が促音化し(おっこう)、さらに(おっくう)と音が変化しました。

〔参考〕日語総合教程 第六冊 から

男が私を見つけてのっそりと立ち上がったので、私は軽く会釈をした。割引券と一緒に四百円を差し出すと、男は白いクロスのかかった机の下を覗き込み、四角い菓子の缶を取り出して、中から五十円の釣銭を返してきた。
P117「東京回顧写真展」小池真理子

畜生のあさましさ、などという言葉が人間にはあるが、そうとばかりは言えない。人間の母親でさえ、子供を生むこと育てることをいとい、捨てたり死なせたりする世の中なのに、猫の育児は細心の情愛と無限の忍耐そのものである。
P153「いのち」阿部昭

以上です。仏教由来の言葉Ⅰは以下↓

コメント

タイトルとURLをコピーしました