中国の日本語学科標準的テキスト「日語総合教程」第五冊第5課「木の葉の魚」日中対訳版です。
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木の葉の魚 安房直子
アイは貧しい漁師の娘でした。その漁師の家の貧乏さかげんといったら、財産は何一つなく、借り物の小舟が一艘に、借り物の網が、たった一枚あるだけでした。それなのに、子供ばかりは十人もいて、おまけに、その子供たちを養う父親は、病気ばかりしているといった具合でした。
さて、その家の一番上の娘のアイが年頃になって、いよいよどこかにお嫁にやらなければならなくなった時、母親は自分の娘をつくづくと眺めて考えました。こんなに色が黒くて、学校もろくに行かなかった娘を、もらってくれる人がいるだろうか…
それでも、自分の娘は、なんとか幸せになってほしいと願うのが親心というもので、アイの母親は、村の人に会うたびにこんなふうに頼んだものでした。
「うちのアイに、お婿さんを探しておくれ。ご覧のとおりの貧乏人で、仕度はなんにもしてやれないが、嫁入りの時には、とっときの道具を一つ持たせてやるつもりだから」
村の人達はふんふんと頷きましたが、アイの家の山ほどの借金の事を思い出して、誰一人本気でアイのお婿さんを探そうとはしませんでした。
ところが、このアイを大喜びでもらおうという人が出てきました。それは、遠い山の村から時々野菜を売りにやって来る婆さんで、山番をしている自分の息子の嫁に、ぜひアイをほしいと言い出したのです。その婆さんの話はこうでした。「貧乏はお互い様だ。アイちゃんみたいに働き者の娘をうちの嫁さんにもらえたら、どんなに助かるかしれない。仕度はなんにもいらないから、体一つで来ておくれ」
アイは貧しい漁師の娘でした。
アイは貧しい漁師の娘でした。その漁師の家の貧乏さかげんといったら、財産は何一つなく、借り物の小舟が一艘に、借り物の網が、たった一枚あるだけでした。
阿一,是贫穷的渔夫的女儿。说到那个渔夫家的贫困程度,财产一样也没有,只有一只借来的小船和一张借来的网。
・かげん(加減):程度「湯加減を見る」「お加減いかが?」
・艘(そう):小さい船を数える語。(比較):隻(せき)
尽管如此,光是孩子就有十个,再加上,养活那些孩子的父亲又一身的病。
・やしなう(養う):①生活できるよう面倒をみる。扶養する。②餌を与えて飼う。飼育する。③力をつける「体力を養う」「実力を養う」
さて、その家の一番上の娘のアイが年頃になって……
且说,那个家里的长女阿一到了结婚年龄,到了必须为最终嫁到哪里而考虑的时候,母亲深深地凝视着自己的女儿想:会不会有人娶皮肤这么黑,又没怎么上过学的女儿呢…..
・つくづく:①じっくり、ある物事に感覚を集中させるさま。念を入れて。
②身に染みて深く感じるさま。「人生は短いとつくづく思う」
・ろくに(碌に):(後に打消しをともない)満足に、まともに、十分に。
「ろくに準備もしないで出かけてしまった」
尽管如此,总想让自己女儿能够得到幸福,这是作为父母的心愿,阿一的母亲每当见到村民的时候都是这样请求的:
うちのアイに、お婿さんを探しておくれ。
“为我家的阿一找一位老公吧。虽然我们是你们所周知的穷人,什么出嫁准备都做不了,不过出嫁时我打算把一个珍藏已久的用具作陪嫁。”
・とっとき:とっておき(取置)の変化。大事にしまっておくこと。
・したく(仕度・支度):必要なものを準備しておくこと。(比較)準備
村里的人们都纷纷点头,但一想起阿一家负债如山,谁也没有真的打算为阿一找老公。

ところが、このアイを大喜びでもらおうという人が……
・山番(やまばん):山林の番人。山守。
「貧乏はお互い様だ。アイちゃんみたいに働き者の娘をうちの嫁さんにもらえたら、どんなに助かるかしれない。仕度はなんにもいらないから、体一つで来ておくれ」
这个老婆婆的话是这样的:‘大家彼此一样贫穷。如果能娶到像阿一这么能干的女孩当媳妇的话,不知道会有多大的帮助。不需要什么准备,人过来就好了。”


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