「開ける」「開く」
「開ける」と「開く」は、どちらも「あく」という変化に関係する言葉ですが、使い分けに迷うことが少なくありません。
たとえば、
・窓を開ける
・本を開く
・バッグを開ける
・傘を開く
のように使います。この二つは似ていますが、意味の中心は少し違います。
「開ける」=ふさいでいるものを取り除く
「開く」=広げて、中や内側が見えるようにする
一言で言えば、開けるは「閉じている状態を解く」、開くは「広げて見える状態にする」です。

まず、「開ける」は何をする言葉か
「開ける」は、閉じている状態を作っているものを外したり、どかしたり、ゆるめたりして、通れる・使える・中に届く状態にする言葉です。
・缶詰を開ける
・ドアを開ける
・窓を開ける
・ふたを開ける
・口を開ける
これらに共通しているのは、「ふさいでいるものを取り除く」という感覚です。
| 表現 | どういうことか |
|---|---|
| 缶詰を開ける | ふたを外して中に届くようにする |
| ドアを開ける | 閉じている状態を解除して通れるようにする |
| ふたを開ける | 上をふさいでいるものをどかす |
開けるは、「閉じている状態を作っているものを外す・どかす」という感じです。
次に、「開く」は何をする言葉か
一方、「開く」は、閉じたり折りたたまれたりしているものを広げて、中や内側、内容が見えるようにする言葉です。
・本を開く
・傘を開く
・手を開く
・地図を開く
・バッグを開く
これらに共通しているのは、「広げて見えるようにする」という感覚です。
| 表現 | どういうことか |
|---|---|
| 本を開く | 閉じた本を広げて中を見る |
| 傘を開く | たたまれた傘を広げる |
| 地図を開く | 折りたたまれたものを広げて見えるようにする |
開くは、「たたまれたもの・閉じたものを広げて、中や内側が見える状態にする」という感じです。
「窓を開ける」と「窓を開く」はどう違う?
ここが少しややこしいところです。「窓」のように、両方使える場合があります。
・窓を開ける
・窓を開く
どちらも自然ですが、見ているポイントが少し違います。
| 表現 | 注目点 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 窓を開ける | 閉じている状態を解除する | 閉まっていた窓をあける感じ |
| 窓を開く | 開いた状態になる | 窓が開いて空間ができる感じ |
ただ、学習者に説明する時は、まず「窓は開けると言うことが多い」と教えておけば十分です。
「缶詰を開ける」とは言うが、「缶詰を開く」とはあまり言わない
この違いが最もわかりやすく出るのが、缶詰のような例です。
・缶詰を開ける ○
・缶詰を開く △〜×
缶詰は、本のように広げるものではありません。ふたを取るだけです。だから、「開ける」が自然です。
つまり、広げる動作がないものは「開く」と言いにくいのです。
「本を開く」とは言うが、「本を開ける」とはあまり言わない
反対に、本はどうでしょうか。
・本を開く ○
・本を開ける △〜×
本は、閉じているものを左右に広げて、中のページが見えるようにします。これはまさに「開く」の典型です。
したがって、本・ノート・地図・傘などは、基本的に「開く」で考えると整理しやすいです。
「バッグを開ける」と「バッグを開く」は両方ありうる
バッグのように、両方言えるものもあります。
・バッグを開ける
・バッグを開く
この場合も、違いは見ているポイントです。
| 表現 | 意味の中心 |
|---|---|
| バッグを開ける | ファスナーやふたなど、閉じている部分を開ける |
| バッグを開く | バッグ全体を広げて中が見えるようにする |
つまり、開けるは「閉鎖解除」、開くは「広げた結果の状態」に注目している、と考えるとわかりやすいです。
例文でまとめて確認
| 表現 | 自然さ | 理由 |
|---|---|---|
| 缶詰を開ける | 自然 | ふたを取るから |
| 缶詰を開く | 不自然 | 広げる動作がないから |
| 本を開く | 自然 | 広げて中を見るから |
| 本を開ける | やや不自然 | 本は「広げる」イメージが強いから |
| 傘を開く | 自然 | たたまれたものを広げるから |
| 口を開ける | 自然 | 閉じた状態をあけるから |
| 地図を開く | 自然 | 折りたたまれたものを広げるから |
学習者にはどう説明するとわかりやすい?
初級〜中級の学習者には、まず次のように教えると整理しやすいです。
| 言葉 | 基本イメージ | 代表例 |
|---|---|---|
| 開ける | ふさいでいるものをどかす | 缶詰・ドア・窓・ふた・口 |
| 開く | 広げて中や内側を見せる | 本・傘・地図・ノート |
そのうえで、バッグや窓のように両方言えるものがある、と補足すると理解しやすくなります。
まとめ
「開ける」と「開く」は似ていますが、意味の中心は次のように整理できます。
開ける=ふさいでいるものを取り除く
開く=広げて、中や内側が見えるようにする
一言で言うと、開けるは「閉じた状態を解く」、開くは「広げて見える状態にする」です。
したがって、
・缶詰 → 開ける
・本、傘、地図 → 開く
・バッグ、窓 → 両方ありうる
と考えると、かなり整理しやすくなります。

以上です。



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