「普通においしい」の「普通に」は普通ではない|現代日本語の「普通に」の使い方

「普通においしい」

「普通に…」

最近よく耳にする表現に、

・普通においしい。

・普通にすごい。

・普通にかわいい。

・普通に泣いた。

という言い方があります。ここで使われている「普通に」は、実はあまり「普通」ではありません。

 たとえば、「普通においしい」は、「普通のレベルでおいしい」という意味ではなく、多くの場合、率直に言っておいしいちゃんとおいしい意外と悪くないどころかおいしいという意味で使われています。

結論から言うと、

本来の「普通に」=特別ではなく、通常どおりに。

現代語の「普通に」=変に考えなくても、率直に言って、ちゃんと。

つまり、「普通においしい」は「普通レベル」ではなく、「素直に評価しておいしい」という意味で使われることが多い。

本来の「普通に」

まず、本来の「普通に」は、「特別な方法ではなく」「いつも通りに」「一般的なやり方で」という意味です。

・普通に歩いてください。

・普通に話せば大丈夫です。

・今日は普通に学校へ行きました。

この場合の「普通に」は、「特別ではなく、いつも通りに」という意味です。

「普通においしい」は普通の味ではない

ところが、最近よく使われる「普通においしい」の「普通に」は、少し違います。

・このラーメン、普通においしい。

・コンビニのケーキだけど、普通においしい。

・期待してなかったけど、普通においしい。

これらは、「味が普通だ」という意味ではありません。むしろ、ちゃんとおいしい素直においしいと言える思ったより悪くないという評価です。

表現意味ニュアンス
普通の味特に良くも悪くもない味評価は中くらい
普通においしいちゃんとおいしい素直な肯定評価

「普通に」は、評価の前置きになっている

現代語の「普通に」は、評価をやわらかく出す前置きとして使われることがあります。

・普通にすごい。

・普通にかわいい。

・普通に面白い。

・普通に泣いた。

この「普通に」は、「平凡に」「並みに」という意味ではありません。むしろ、変に大げさに言っているのではなく、素直にそう思ったという感じです。

現代語の「普通に」は、「冷静に考えても」「素直に言っても」「変にひねらなくても」という評価の前置きとして働くことがあります。

なぜ「普通に」が強調になるのか

本来、「普通」は特別ではないことを表します。ところが、「普通においしい」のような表現では、次のような気持ちが隠れています。

・期待していなかったが、おいしい。

・特別扱いしなくても、おいしい。

・冷静に判断しても、おいしい。

・大げさではなく、本当においしい。

つまり、「普通に」は、評価を弱めているように見えて、実は素直な肯定を表しているのです。

「普通に」は少しくだけた表現

ただし、この使い方の「普通に」は、少しくだけた話し言葉です。友達同士の会話やSNSでは自然ですが、改まった文章では避けた方がよい場合があります。

くだけた表現改まった表現
普通においしいです。十分おいしいです。/素直においしいと思います。
普通にすごいです。率直にすばらしいと思います。
普通に泣きました。思わず泣いてしまいました。/本当に感動しました。

「普通に」には二つの意味がある

 日本語学習者のみなさんは、「普通に」には二つの意味があると考えてください。

使い方意味
本来の使い方いつも通りに、特別ではなく普通に歩く/普通に話す
現代的な使い方率直に言って、ちゃんと普通においしい/普通にすごい

ただし、後者は話し言葉なので、作文や発表では使えません。

まとめ

普通にには、本来「いつも通りに」「特別ではなく」という意味があります。

しかし、現代の話し言葉では、「率直に言って」「ちゃんと」「変に考えなくても」という意味で使われることがあります。

そのため、「普通においしい」は「普通レベル」ではなく、「素直においしい」という意味になることが多いのです。

 一言でまとめるなら、「普通においしい」の「普通に」は、普通の程度ではなく、素直な評価を表す言葉だと言えるでしょう。

「普通においしい」まとめ

以上です。

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