「~上で」と「~上に」
「~上で」と「~上に」は、形がよく似ているため、混同しやすい文法です。
しかし、意味と使い方は大きく異なります。
「~上で」= 必要なことをしてから/~するとき・~の面で
「~上に」= それに加えて、さらに
「~上に」= それに加えて、さらに
| 文法 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| ~上で | ~してから ~するとき・~の面で | 家族と相談した上で、決めます。 日本で生活する上で、漢字は大切です。 |
| ~上に | それに加えて、さらに | この店は安い上に、おいしいです。 |
「順序・場面」を表すのが「~上で」、「追加」を表すのが「~上に」です。

1.「~上で」には2つの使い方がある
「~上で」には、主に次の2つの使い方があります。
① Vた+上で:~してから
一つ目は、必要なことをしたあとで、次の行動をするという意味です。
Vた+上で = 必要な手順をすませてから、そのあとで
例文
- よく考えた上で、返事をしてください。
- 説明を聞いた上で、参加するかどうか決めます。
- 家族と相談した上で、留学を決めました。
この「~上で」は、単なる「~てから」よりも少しかたい表現です。
確認・相談・検討などを行い、その結果として次の行動に進むというニュアンスがあります。
② V辞書形+上で/Nの上で:~するとき・~の面で
もう一つは、何かをするときに、またはある面から考えるとという意味です。
V辞書形+上で/Nの上で = ~するときに/~の面で
例文
- 日本で生活する上で、漢字の知識は役に立ちます。
- 仕事の上で大切なのは、報告・連絡・相談です。
- 安全上の理由で、ここには入れません。
この用法では、動作の順番ではなく、場面・条件・観点が中心になります。
2.「~上に」…それに加えて、さらに
「~上に」は、前の内容に同じ方向の内容をさらに付け加える表現です。
「~上に」= 一つの特徴に、さらにもう一つの特徴が加わる
例文
- このかばんは軽い上に、丈夫です。
- 彼は日本語が上手な上に、英語も話せます。
- 今日は雨な上に、風も強いです。
「~上に」は、一般に次のように同じ方向の内容を重ねます。
- よいこと+よいこと
- 悪いこと+悪いこと
この店は安い。しかも、おいしい。
→ この店は安い上に、おいしいです。
彼は遅刻した。しかも、宿題も忘れた。
→ 彼は遅刻した上に、宿題も忘れました。
3.「~上で」と「~上に」の違い
| 比較 | ~上で | ~上に |
|---|---|---|
| 基本の意味 | してから/するとき・の面で | さらに付け加えて |
| 中心イメージ | 順序・場面・条件 | 追加 |
| 例文 | 資料を読んだ上で、申し込みます。 | この講座は安い上に、内容も充実しています。 |
4.間違えやすいポイント
「~上で」は前の形によって意味が変わる
Vた+上では「~してから」、V辞書形+上では「~するとき」という意味になります。
- よく考えた上で、決めます。=考えてから
- 仕事をする上で、信頼は大切です。=仕事をするとき
「~上に」は「~してから」ではない
「~上に」は追加を表すため、行動の順番を表す文には使えません。
× 家族と相談した上に、決めます。
○ 家族と相談した上で、決めます。
5.まとめ
「~上で」= してから/するとき・の面で
「~上に」= さらに付け加える
「~上に」= さらに付け加える
- ~上では、順序・場面・条件を表す。
- ~上には、情報や特徴を追加する。
- Vた+上でとV辞書形+上ででは、意味が異なる。
形はよく似ていますが、中心となる意味は異なります。
「上で=順序・場面」「上に=追加」と整理して覚えましょう。

以上です。



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