「~なり」「~なりとも」「~なり~なり」「~なりに」
これらは「なり」を含むN1重要文法ですが、意味はかなり違います。
それぞれの意味は、
~なり=するとすぐ
~なりとも=せめて~だけでも
~なり~なり=どちらかをしなさい
~なりに=その人なりの形で
| 文法 | 基本の意味 | 例文 |
|---|---|---|
| ~なり | するとすぐ | 彼は家に帰るなり、部屋に閉じこもった。 |
| ~なりとも | せめて~だけでも | 一言なりとも連絡してくれればよかった。 |
| ~なり~なり | どちらかを選んで | わからなければ、先生に聞くなり調べるなりしなさい。 |
| ~なりに | その人・その立場に応じて | 私なりに頑張ったつもりです。 |
同じ「なり」でも、意味も使い方もそれぞれ違うので、4つを別々の文法として覚えるのがポイントです。

1.~なり
意味:~するとすぐに
前の動作が起こると、その直後に次の出来事が起こることを表します。
| 接続 | 意味 |
|---|---|
| V辞書形+なり | ~するとすぐ |
- 彼は家に帰るなり、部屋に閉じこもった。
- 席に着くなり、ノートを開いて勉強を始めた。
- 母はその知らせを聞くなり、病院へ向かった。
ポイント
- 後ろには、すぐ起こった出来事が来ます。
- 多くは、話し手の意志ではなく、実際に起きたことを述べます。
- やや書き言葉的で、日常会話では「~するとすぐ」のほうが自然なこともあります。
「直後」の意味が中心
2.~なりとも
意味:せめて~だけでも
十分ではなくてもいいから、最低限それぐらいは、という気持ちを表します。
| 接続 | 意味 |
|---|---|
| N+なりとも | せめて~だけでも |
- 一言なりとも連絡してくれればよかった。
- 少しなりともお役に立てればうれしいです。
- 困ったときは、先生に一度なりとも相談してみるといい。
ポイント
- 「少し」「一言」「一度」など、量の少ない語とよく使われます。
- 「全然ない」ではなく、最低限を期待する気持ちがあります。
- 少しかたい表現で、文章やあらたまった場面で見られます。
「最低限でもいいから」の気持ち
3.~なり~なり
意味:どちらかを選んで
いくつかの方法や選択肢を挙げて、その中のどれかをしなさいという意味を表します。
| 接続 | 意味 |
|---|---|
| V辞書形+なり+V辞書形+なり N+なり+N+なり | どちらかを選んで/何かしら |
- わからなければ、先生に聞くなり調べるなりしなさい。
- 休みの日は、本を読むなり散歩するなりして過ごしています。
- 本人なり家族なりに事情を聞く必要がある。
ポイント
- 例を二つ挙げて、選択肢を示す形です。
- 「~とか~とか」よりも、行動をうながす感じが強めです。
- 命令・助言・提案と一緒に使われやすいです。
「何かしらやりなさい」という響きがある
4.~なりに
意味:その人・その立場に応じて
能力や立場、状況は十分ではないかもしれませんが、その範囲の中では一生懸命に、という意味を表します。
| 接続 | 意味 |
|---|---|
| N+なりに N+なりの+N | その人・その立場に応じて |
- 私なりに頑張ったつもりです。
- 子どもは子どもなりに悩みがある。
- この店は小さいながらも、小さいなりの魅力がある。
ポイント
- 「十分ではないかもしれないが、それ相応に」というニュアンスがあります。
- 「私なりに」「自分なりに」「子どもなりに」などがよく使われます。
- 「なりの+名詞」の形もよく出ます。
例:私なりの考え、彼なりのやり方
「その人なりのやり方・努力」を表す
5.4つの違いをもう一度
| 文法 | 意味 | 覚え方 |
|---|---|---|
| ~なり | するとすぐ | 前の動作の直後に次が起こる |
| ~なりとも | せめて~だけでも | 最低限でいいから |
| ~なり~なり | どちらかを選んで | 選択肢を示してすすめる |
| ~なりに | その人・その立場に応じて | その人なりのやり方・努力 |
4つとも形は似ていますが、意味はかなり違います。「~なり」は直後、「~なりとも」は最低限、「~なり~なり」は選択、「~なりに」はその人なりの程度と整理すると覚えやすいです。
6.まとめ
今回の4つの「なり」は、同じように見えても働きが違います。
- ~なり:するとすぐ
- ~なりとも:せめて~だけでも
- ~なり~なり:どちらかを選んで
- ~なりに:その人・その立場に応じて
N1では、こうした似た形の整理がとても大切です。
形だけで覚えず、「何を表す文法なのか」までセットで覚えておきましょう。

以上です。



コメント