「ことにする」「ことになる」「ようにする」「ようになる」の違い

ことにする、ことになる、ようにする、ようになる

「ことにする」「ことになる」「ようにする」「ようになる」

 ネット授業まず例文をみましょう。

  • 今学期の授業はリモートで行うことにした。1⃣
  • 今学期の授業はリモートで行うことになった。2⃣
  • 窓を開けて、空気を入れ替えるようにした。3⃣
  • 窓を開けたら、空気が入れ替わるようになった。4⃣

1⃣「ことにする」と2⃣「ことになる」の違い

1⃣「ことにする」2⃣「ことになる」は共になんらかの決定を主に表す言い方です。

1⃣「ことにする」と2⃣「ことになる」の違いは、自分(話者)が決めた(ことにする)か、自分以外の人が決めた(ことになる)かの違いがありそうです。

3⃣「ようにする」と4⃣「ようになる」の違い

3⃣「ようにする」と4⃣「ようになる」は共に状態の変化を主に表す言い方です。

3⃣「ようにする」と4⃣「ようになる」の違いは、目的ある動作による変化(ようにする)か、任意の動作による変化(ようになる)かの違いがあります。

まとめると以下のようになります。

ことにするようになる
自分が決定任意動作による変化
今学期の授業はリモートで行うことにした。窓を開けると、空気が入れ替わるようになった。
ことになるようにする
他の人が決定目的動作(働きかけ)による変化
今学期の授業はリモートで行うことになった。窓を開けて、空気を入れ替えるようにした。

「ようにする」のもう一つの意味

「ようにする」は、上の例のような無意志的動作(窓を開ける)の場合「目的動作(働きかけ)」を表しますが、意志的動作の場合は意味が異なります。例として

  • コロナ流行中は家から出ないようにした。5⃣(「家から出ない」という意志的動作)

に導かれる場合があります。この場合は「習慣的行動」を表します。「ようにする」の2つの意味をまとめると以下のようになります。

ようにする無意志的動作+ようにする働きかけ
窓を開けて、空気を入れ替えるようにした。4⃣
意志的動作+ようにする習慣的行動
コロナ流行中は家から出ないようにした。5⃣

「ようにする」=「ことにする」のケース

上の「意志的動作+ようにする」つまり習慣的行動を示す用法の場合のみ、「ことにする」で言い換えてもほぼ同じ意味になります。

  • コロナ流行中は家から出ないようにした。5⃣
  • コロナ流行中は家から出ないことにした。
ただ、決心の度合いは「ことにする」>「ようにする」

で「ことにする」の方が強い決定になります。

自分が決めても「ことになる」を使うケース

和装結婚式「ことにする」のは自分、「ことになる」は他人の決定というのが原則ですが自分が決めても「ことになる」を使うことがあります。

  • 今後、明子さんと結婚することになりました。
  • この度、会社を設立させていただくことになりました。

などですが、これらは自分の意志でないかのように表現する一種の日本的婉曲表現と言えます。

以上、「初級を教える人のための日本語文法ハンドブック」(3Aネットワーク刊)などを参考にさせていただきました。

 

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