「~ないことはない」「~ないではない」「~なくはない」
「~ないことはない」「~ないではない」「~なくはない」はN2必須表現。どれも「ない」が二回出てくる二重否定という形なので、初めて見ると少しややこしく感じます。
・行けないことはない。
・そんな気がしないではない。
・興味がなくはない。

これらは、単純に「強い肯定」を表すのではありません。むしろ、はっきり「そうだ」とは言わないが、完全には否定しないという、控えめな言い方です。
三つの言い方は、上の例文でも相互に入れ替え可能ですが、多少ニュアンスに変化があります。
結論から言うと、
「~ないことはない」=可能性・能力を少し認める
「~ないではない」=気持ち・判断を少し認める
「~なくはない」=存在・量・程度を少し認める
そして、三つに共通するのは、強く肯定せず、控えめに認めることです。
まず三つに共通する意味
「~ないことはない」「~ないではない」「~なくはない」は、どれも二重否定の形です。二重否定なので、意味は否定ではなく、弱い肯定になります。
| 表現 | 直訳的な意味 | 実際の意味 |
|---|---|---|
| できないことはない | できない、ということはない | できる可能性はある |
| 嫌いではない | 嫌い、とは言えない | 好きとまでは言わないが、悪くない |
| 興味がなくはない | 興味がない、とは言えない | 少し興味はある |
つまり、三つとも「完全には否定しない」という意味を持っています。
「~ないことはない」は、可能性・能力を少し認める
まず、「~ないことはない」は、できる可能性がある、そう言える可能性があるという時によく使います。
Vない形+ことはない
= できないわけではない/可能性はある
・忙しいが、行けないことはない。
・少し難しいが、できないことはない。
・高いが、買えないことはない。
・彼の気持ちも、わからないことはない。
たとえば、「行けないことはない」は、「絶対に行ける」という意味ではありません。
「無理ではない」「行こうと思えば行ける」という意味です。
| 文 | 意味 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 行けます | 行ける | はっきり肯定 |
| 行けないことはない | 行こうと思えば行ける | 控えめな肯定 |
「~ないことはない」は、可能性・能力・理解を少し認める時に使いやすい表現です。
「~ないではない」は、気持ち・判断を完全には否定しない
「~ないではない」は、そういう気持ちや考えも少しある、その判断を完全には否定しないという時に使います。
Vない形/イ形容詞くない/ナ形容詞ではない/名詞ではない + ではない
= 完全には否定しない
・行きたくないではないが、今日は疲れている。
・彼の意見が正しくないではない。
・この映画が面白くないではないが、少し長すぎる。
・不満がないではないが、今は我慢している。
たとえば、「行きたくないではない」は、「行きたい」という気持ちが少しはある、という意味です。
しかし、「ぜひ行きたい」と強く言っているわけではありません。
| 文 | 意味 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 行きたいです | 行きたい | はっきりした気持ち |
| 行きたくないではない | 行きたい気持ちも少しある | 控えめ・歯切れが悪い |
「~ないではない」は、気持ちや判断をはっきり言い切らず、少しぼかして認める言い方です。
「~なくはない」は、存在・量・程度を少し認める
「~なくはない」は、少しはある、全くないわけではないという意味です。
イ形容詞くなく+はない/ナ形容詞でなく+はない/名詞でなく+はない
= 少しはある/全くないわけではない
・興味がなくはない。
・自信がなくはない。
・可能性がなくはない。
・この料理はおいしくなくはない。
・彼の説明はわかりにくくなくはない。
たとえば、「興味がなくはない」は、「すごく興味がある」という意味ではありません。
「少し興味はある」「全く興味がないわけではない」という意味です。
| 文 | 意味 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 興味があります | 興味がある | はっきり肯定 |
| 興味がなくはない | 少し興味はある | 弱い肯定 |
「~なくはない」は、存在・量・程度を少しだけ認める時に使いやすい表現です。
三つの違いを一言で整理
三つは似ていますが、中心になる意味が少し違います。
| 表現 | 中心イメージ | 例 |
|---|---|---|
| ~ないことはない | 可能性はある | 行けないことはない |
| ~ないではない | 気持ち・判断を少し認める | 行きたくないではない |
| ~なくはない | 少しはある | 興味がなくはない |
例文で比べる
似た場面で比べると、違いがわかりやすくなります。
| 文 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| 忙しいが、行けないことはない。 | 行こうと思えば行ける | 可能性 |
| 行きたくないではないが、少し迷っている。 | 行きたい気持ちも少しある | 気持ち |
| 興味がなくはないが、すぐには決められない。 | 少し興味はある | 少しある |
三つとも「強く肯定しない」点は同じですが、何を認めているかが違います。
「~ないではない」と「~なくはない」はかなり近い
注意したいのは、「~ないではない」と「~なくはない」はかなり近いということです。
・興味がないではない。
・興味がなくはない。
この二つは、どちらも「少し興味はある」という意味で使えます。
ただし、少し分けるなら、次のように考えるとよいでしょう。
| 表現 | 少し強調される点 |
|---|---|
| 興味がないではない | 「興味がない」とは言い切れないという判断 |
| 興味がなくはない | 興味が少しは存在すること |
つまり、「ないではない」は判断を少し認める感じ、「なくはない」は少し存在する感じが出やすいです。
強く肯定したくない時に使う
この三つの表現は、はっきり肯定したくない時によく使います。
・できる。
・行きたい。
・興味がある。
と言うと、かなりはっきりした肯定になります。
一方、
・できないことはない。
・行きたくないではない。
・興味がなくはない。
と言うと、少し控えめになります。
この三つは、「YES」とは言っているが、声の小さいYESです。
N2試験での見分け方
N2文法では、文の前後から、何を控えめに認めているのかを見ることが大切です。
| 見分け方 | 使いやすい表現 | 例 |
|---|---|---|
| できるかどうか | ~ないことはない | できないことはない |
| 気持ち・判断があるか | ~ないではない | 行きたくないではない |
| 少し存在するか | ~なくはない | 興味がなくはない |
まとめ
「~ないことはない」「~ないではない」「~なくはない」は、どれも二重否定の形です。
意味は、強い肯定ではなく、控えめな肯定です。
~ないことはない=可能性・能力を少し認める
~ないではない=気持ち・判断を少し認める
~なくはない=存在・量・程度を少し認める
共通点=はっきり肯定せず、遠回しに「少しはそうだ」と言う。

一言で覚えるなら、「三つとも弱いYES」です。ただし、「何を少し認めているのか」を見ると、使い分けがわかりやすくなります。
以上です。



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