「~つつ」「~つつも」「~つつある」
形はよく似ていますが、意味はまったく異なります。
・テレビを見つつ、ご飯を食べる。
・悪いと知りつつも、やめられない。
・日本語を学ぶ人が増えつつある。
どれも「つつ」を使っていますが、表している内容は同じではありません。
結論から言うと、
~つつ=二つの動作を同時にする
~つつも=そう思っているのに、反対のことをする
~つつある=少しずつ変化が進んでいる
一言でいうと、「つつ」は同時進行、「つつも」は逆接、「つつある」は変化の途中です。

まず全体の違い
| 表現 | 意味 | 一言で | 例 |
|---|---|---|---|
| ~つつ | 二つの動作を同時にする | 同時進行 | 音楽を聞きつつ勉強する |
| ~つつも | そう思いながら、反対のことをする | 逆接 | 悪いと知りつつも続けた |
| ~つつある | 変化が少しずつ進んでいる | 変化の途中 | 人口が減りつつある |
「~つつ」は、二つの動作を同時にする
「~つつ」は、二つの動作を同時にする時に使います。
Vます形+つつ = ~しながら
・音楽を聞きつつ、宿題をする。
・資料を確認しつつ、説明する。
・メモを取りつつ、話を聞く。
・家族と相談しつつ、進路を決める。
意味としては「~ながら」に近いです。
| 表現 | 意味 | 文体 |
|---|---|---|
| 音楽を聞きながら勉強する | 同時にする | 日常的 |
| 音楽を聞きつつ勉強する | 同時にする | やや硬い・文章的 |
「~つつ」は「~ながら」より少し硬く、文章や説明で使われやすい表現です。
「~つつも」は、そう思いながら反対のことをする
「~つつも」は、前の内容と後ろの内容が合わない時に使います。
Vます形+つつも = ~しているのに/~と思いながらも
・悪いと知りつつも、やめられない。
・勉強しなければと思いつつも、スマホを見てしまう。
・危険だとわかりつつも、彼は現場へ向かった。
・感謝しつつも、少し不満が残った。
「~つつも」は、心の中ではわかっているのに、実際には別の行動をする時によく使います。
| 前の内容 | 後ろの内容 | 関係 |
|---|---|---|
| 悪いと知っている | やめられない | 反対・矛盾 |
| 勉強しなければと思う | スマホを見る | 反対・矛盾 |
つまり、「~つつも」は、頭ではわかっている。でも実際は違う。という時に使う表現です。
「~つつある」は、変化が少しずつ進んでいる
「~つつある」は、ある変化が今も進行中であることを表します。
Vます形+つつある = だんだん~している/~し始めている
・日本語を学ぶ人が増えつつある。
・地方の人口は減りつつある。
・紙の本を読む人は少なくなりつつある。
・古い町並みが失われつつある。
・新しい働き方が広がりつつある。
「~つつある」は、今すぐ完全に変わったという意味ではありません。
まだ途中ですが、少しずつその方向へ変化している、という意味です。
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| 増えつつある | だんだん増えている |
| 減りつつある | だんだん減っている |
| 失われつつある | 少しずつ失われている |
「~ている」と「~つつある」の違い
「~つつある」は「~ている」に似ていますが、少し違います。
| 表現 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| 増えている | 増えている状態・進行 | 一般的な言い方 |
| 増えつつある | 増える方向へ変化が進んでいる | 変化の途中を強調 |
「~つつある」は、ニュース、論文、説明文などでよく使われます。少し硬い表現です。
「~つつ」と「~つつも」の違い
「~つつ」と「~つつも」は、どちらも「同時に」という感じがあります。
しかし、「~つつ」は単純な同時進行、「~つつも」は逆接です。
| 文 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| 反省しつつ、次の準備をする | 反省しながら準備する | 同時進行 |
| 反省しつつも、また同じ失敗をした | 反省しているのに失敗した | 逆接 |
「も」が入ることで、後ろに予想と違う内容が来やすくなります。
「~つつある」は、同時進行ではない
注意したいのは、「~つつある」は「~つつ」とは意味が違うという点です。
・音楽を聞きつつ勉強する。
・日本語を学ぶ人が増えつつある。
上の「聞きつつ」は、二つの動作を同時にしています。
一方、「増えつつある」は、「増えながら何かをする」という意味ではありません。増えるという変化が進んでいるという意味です。
接続の形
三つとも、基本的には動詞のます形に接続します。
| 辞書形 | ます形 | つつ表現 |
|---|---|---|
| 聞く | 聞きます | 聞きつつ/聞きつつも |
| 増える | 増えます | 増えつつある |
| 思う | 思います | 思いつつ/思いつつも |
N2試験でよく出るポイント
JLPT N2では、意味の違いを問う問題で出やすいです。
| 出題されやすい形 | 見分け方 |
|---|---|
| ~つつ | 二つの動作が同時に行われているか |
| ~つつも | 前後の内容が反対・矛盾しているか |
| ~つつある | 変化が少しずつ進んでいるか |
特に「~つつも」は、悪いと知りつつも、やめられないのように、「わかっているのに」という形でよく出ます。
練習問題
次の文には、どれが入るでしょうか。
| 問題 | 答え | 理由 |
|---|---|---|
| 地図を見__、目的地へ向かった。 | つつ | 見ながら向かったから |
| 体に悪いと知り__、夜中にラーメンを食べた。 | つつも | 知っているのに食べたから |
| この町の人口は減り__。 | つつある | 減る変化が進んでいるから |
まとめ
「~つつ」「~つつも」「~つつある」は形が似ていますが、意味ははっきり違います。
~つつ=二つの動作を同時にする
~つつも=そう思っているのに、反対のことをする
~つつある=変化が少しずつ進んでいる
N2では、同時進行・逆接・変化の途中の違いを意識して覚えるとよいでしょう。
一言で覚えるなら、「つつ」は同時、「つつも」は逆接、「つつある」は変化です。

以上です。



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