旅の備忘録 26冬 台南Ⅰ

台湾新幹線高雄から

台南へ

 次学期は鄭成功をテーマにオリジナル教材を作ろうと思っている。彼に関する史跡をめぐる旅は、昨年末から二か月弱の短い期間で、厦門、そして平戸とまわってきた。仕上げとして台南へ向かう。
 11時55分関空発EVA航空を予約。早起きして宇治の自宅を出発すれば、問題なく乗れる時間だが、風邪気味、体調不良なこともあって、前日関空の近場に宿をとり宿泊する。

2月4日

 起き掛け頭痛がする。さいきんずっとこうだ。本当に風邪だけなのかと、旅行前だけに多少不安になる。
 台湾は過去仕事で何度か行っているが、それも十数年前のこと。特に準備らしい準備はしていないが、中国とは違う久々の海外である。あまり油断するといけないとは思う。
台湾eSIM いろいろ初体験となる。今はwifiが命綱である。朝起きて早速分かったこと。私の持っているiPhoneは、どうもeSIM非対応のようだ。昨日アマゾンで買ったeSIMの設定ができない。サポート曰く。中国で購入したiPhoneはeSIM非対応。だから中国製のiPhoneには、廉価版にも物理SIMスロットが2つ標準装備されているようだ。
 現地でやることが増えるのはいやだが、しかたがない。高雄の空港で物理SIMを買うことにする。 
 SIMでごちゃごちゃやってるあいだに頭痛を忘れる。最近の慢性的頭痛は、頭をあまりに使わないので、脳の血流不足によるんじゃないかと、素人的に思う。当たらずと言えども遠からずかもしれない。
 時間の余裕もなくなり、8時半の関空行きシャトルバスにぎりぎり飛び乗る。旅行の時よくある小さい問題の発生は、あたりまえのことで、そういうことの処理は言ってみれば旅の面白さの一つでもある。この余裕は年の功。
 10時前、KIX、20番ゲート前に落ち着く。2時間の読書時間を確保。陳舜臣「鄭成功」を読み始める。これは正解だった。空港ロビーであまり難解な本は読めない。

高雄空港へ

エバー航空機 11時55分定刻にテイクオフ。席は非常口前。窓側。といっても右サイドなので真正面に客室乗務員がこちらを向いて坐る、例の気まずい雰囲気の席ではない。一息ついて調べると、台南はすでに18℃、今日は26℃まで上がる予報である。
 空港に着いたら、両替、悠遊カード購入、物理SIM購入、そして地下鉄駅を探してホテルへ移動。手間取らなければいいが……
 もう現役ではない。現地の商社マンが空港まで迎えにきてくれて、アテンドしてくれる昔の出張旅行とは違う緊張感がある。世界中どこに行こうが、自分しか頼れる者はいない。それもまたよし。
 EVA航空に乗るのは初めてだろう。客室乗務員さんの所作には、中華系の航空会社にない温かみを感じてしまう。制服からして庶民的な雰囲気を醸し出しているように感じる。中国系のツンツンした感じがない。中国人って、何かにつけてどうして偉そうにするんだろう?そういう先入観、もっといえば偏見をもっている自分、どうにかならないかと思う。

台湾出張の記憶

 台湾は仕事で二、三回来ている。現役時代はいろんなところに出張している。セミリタイアしてから、日本中心にいろんなところを、気の向くまま自由に旅行しているが、初めて来たという場所が実に少ない。それだけ過去あちこち仕事で飛び回っていたということだ。しかしその割には、あたり前のことではあるが、その土地をたとえ短時間でも観光したという記憶がない。風景もほとんど頭に残っていない。今思えば、もったいないことだ。が、当時は観光どころではなかった。
 ただ、今回行く台南に関しては、海辺の高級ホテルに泊まり、夜一人で散歩に出たことを覚えている。海があり、遠くの島の鄭成功の像を眺めた記憶がある。島、コロンス島の名は知らなかったが、鄭成功の像であることは誰かに聞いていたように思う。その風景は鮮明だ。それ以外のことは断片的な静止画、つまり写真のように記憶の中に残っているだけだ。そして、不思議なことには、いくつかの風景は記憶に残っていても、はたしてなんの仕事で台湾に行ったか、それがうまくいったかどうか、そんなことは全く記憶にない。

高雄空港にて

 13時40分、陸が見える。台湾だ。あと1時間少々で高雄空港。むらぐもがかかった街は台北だろうか、新竹か。街は空から見ても美しい。

久しぶりの台湾

 現地時間14時半(日本時間15時半)まもなく高雄空港だ。大阪-上海に慣れすぎた自分には、3時間半のフライトはやや長く感じた。着陸間際に見た、台南の街。住宅地は道が南北でないので、建築物がボコボコとした河原の石のように見える。そして周囲は緑豊かな土地だ。
 着陸。高雄空港ロビーは、思いのほかこじんまりしたでところで迷う心配がない。

こまごましたこと

 到着フロアの台湾銀行で4万円換金。物理sim 500元でwifiがつながり日御安心。悠遊カードは、これもファミマで買う予定だったが売り切れだったので、地下鉄駅で100元カードに500元を入れてもらう。台湾では充値ではなく加値というようだ。到着ロビーで流れ作業のように以上あっという間に終了。安心してほっとすると、けっこう暑いことに気がつく。
 落ち着いたので少し空港散歩。改めて、私向きのちょうどいいサイズの空港だとなぜか一人悦に入っている。スタバはあるが、KFCはない。

ケンブリッジホテルへ

 やるべきことをすますと、心に余裕がでてきたのか、暑くなってきた。2月でも、日中は半袖で十分のようだ。
 ホテルへの交通機関はスマホで調べるとMRTと出て、例の専用線のバスのような乗り物かと探したが、台湾ののMRTとは地下鉄のことであった。地下鉄駅ならすでに悠遊カードを買う時、探し当てていた。路線図を見ると、红线と橙线、それから黄緑の軽軌、こっちはLRTというらしい。
 15時40分、その地下鉄MRTで、高雄国際機場から左营まで出る。地下鉄はかなり込んでいたが、日本かと思うような静かな車内に感動。ここは中国ではない。これが普通なのかも。”禁止饮食违者罚”とある。車内飲食禁止とは、日本より厳しい。师甲、凹子底、巨蛋、面白い駅名が連続する。100系新幹線
 左营から台南へ台湾新幹線に乗る。10分ちょっとの台湾新幹線の移動。京都から新大阪まで東海道新幹線に乗るようなものである。実は在来線で台南まで行けば、ホテルまで歩いてすぐだったことを後で知る。新幹線の台南駅からはホテルまで、かなりの距離がある。あきらかに遠回りである。
 無駄だったかというと、実はそうでもなかった。良いことが二つあった。
 一つ目。新幹線台南駅には、なんとあの100系新幹線が展示してあった。これを見た時は、正直うれしかった。しばしうるうる、である。
 もう一つ。タクシーの運転手さんが穏やかで実に良い人だった。日本が好きで沖縄へ2回、北海道へ1回、家族旅行したという。最初は若いと思ったが、娘さんが受験で忙しいというからそこそこの年齢のようだ。受験が終わったらまた日本に行きたいという。話が弾んだ。
 実は、密室をいいことに二人で中国の悪口で盛り上がる。私たちはね、日本のやったこと、昔のことだと思ってる。終わったことね。それが中国の奴らと違うところさ。
時前、ケンブリッジホテルに到着。615室にチェックイン。

夕食は台南名物牛肉スープ

 台南名物牛肉スープ疲れてはいたが、夕食だけしようと外出する。ホテルのフロントのお姉さんに尋ね、おすすめの肉スープ店に行く。ご飯がついて150元。赤嵌楼などの観光地、随所にある寺院は、8時近くのこの時間でもまだ開いている。病院もやってるようだ。
 飛行機の音が、かなり大きい。音はすれども姿は見えず。気になるほどではない。
 歩道は段差が多く歩きにくい。歩くと、以前台湾に来たときのことをふと思い出す。そうそう、歩道は道路わき商店のエントランスにもなっていて、みなそれぞれにデザインしているようで、仕様も違いたいていはおとなりと段差がある。確か以前もこんな感じだった。
 ホテルに帰り、早めに休む。遅くなると少し気温も下がり多少部屋を暖めたくなる。エアコンがきかないので、フロントに連絡。あっさりと暖房はないという。なるほどね。

つづきます。→ こちら

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