「転ぶ・転がる・転がす」
「転ぶ」「転がる」「転がす」。どれも「転」という漢字を使いますが、意味は少しずつ違います。今回は、この三つの動詞の違いを考えてみましょう。
「転」で始まる動詞を入れてみよう
次のイラストの空欄に、「転」で始まる動詞を入れてください。
ヒントは、動きの違いです。
① バランスを失って倒れる。
② 回転しながら移動する。
③ 物を回転させて動かす。 三つとも答えられましたか?
「転ぶ・転がる・転がす」
① 石につまずいて転ぶ。
② 坂道を転がる。
③ 大きな石を転がす。
三つの動詞の中心的な意味は、次のとおりです。
| 動詞 | 中心的な意味 | 自動詞・他動詞 |
|---|---|---|
| 転ぶ | バランスを失って倒れる | 自動詞 |
| 転がる | 回転しながら移動する | 自動詞 |
| 転がす | 回転させて動かす | 他動詞 |
①「転ぶ」=バランスを失って倒れる
「転ぶ」は、人が立っていたり、歩いたりしているときに、バランスを失って倒れることです。
・石につまずいて転んだ。
・雪道で滑って転んだ。
・子どもが走っていて転んだ。
「転ぶ」は、基本的に人が倒れるときによく使います。必ずしも体がくるくる回る必要はありません。
②「転がる」=回転しながら移動する
「転がる」は、人や物が回転しながら移動することです。
・ボールが坂道を転がる。
・大きな岩が山から転がり落ちた。
・子どもが芝生の坂を転がって遊んでいる。
「転ぶ」と「転がる」は、まったく別の動きというわけではありません。例えば、坂道で足を滑らせた人を想像してください。
「坂道で転んで、そのまま下まで転がった。」
この文では、最初にバランスを失って倒れ(転ぶ)、その後、体が回転しながら坂を下っています(転がる)。つまり、「転ぶ」は倒れることに注目し、「転がる」は回転して移動することに注目するのです。なお、「空き缶が道に転がっている」のように、回転していなくても、物が無造作に横たわっている状態を表すことがあります。
③「転がす」=回転させて動かす
「転がす」は、物を回転させて動かすことです。「転がる」に対応する他動詞です。
・子どもがボールを転がす。
・大きな石を転がして運ぶ。
・床の上でビー玉を転がす。
次の二つを比べてください。
・ボールが転がる。(自動詞)
・ボールを転がす。(他動詞)
「転がる」はボール自身の動きを表し、「転がす」は誰かがボールを動かすことを表します。「が」と「を」の違いにも注目しましょう。
おまけ:「寝転ぶ」はどういう意味?
「寝転ぶ(ねころぶ)」は、自分の体を横にして、楽な姿勢になることです。
・芝生に寝転んで空を見る。
・ソファに寝転んでテレビを見る。
・畳の上にごろんと寝転ぶ。
「転ぶ」は普通、意図せず倒れることですが、「寝転ぶ」は自分の意思で体を横にすることを表します。
最後に復習!
もう一度、今度は答えの入ったイラストを見て確認しましょう。

まとめ|「転ぶ・転がる・転がす」の違い
| 動詞 | 意味のポイント | 例文 |
|---|---|---|
| 転ぶ | 倒れる | 道で転ぶ |
| 転がる | 回転して動く | ボールが転がる |
| 転がす | 回転させて動かす | 石を転がす |
| 寝転ぶ | 体を横にする | 芝生に寝転ぶ |
「転ぶ」は倒れること、「転がる」は回転しながら動くこと、「転がす」は回転させて動かすことです。また、「転ぶ」と「転がる」は、続けて起こることもあります。
「転んで、そのまま転がった。」
この短い一文にも、二つの動詞の違いがよく表れています。同じ漢字を使う動詞でも、何に注目しているかを考えると、その違いが見えてきますね。
以上です。



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