「~あまり(に)」と「~すぎて」
「~あまり(に)」と「~すぎて」は、どちらも「程度が大きいことが原因で、ある結果になる」ことを表します。
しかし、使いやすい場面とニュアンスには違いがあります。
| 文法 | 一言でいうと | ポイント |
|---|---|---|
| ~あまり(に) | 感情・状態に圧倒されて | 強い感情や状態が原因で、自然に結果が出る |
| ~すぎて | 限度を超えて | 程度が大きすぎて、よくない結果や変化が起こる |
まずは、例文を比べてみましょう。
| 場面 | 例文 | 自然さ |
|---|---|---|
| 強い感情 | うれしさのあまり、涙が出た。 | 自然 |
| 強い感情 | うれしすぎて、涙が出た。 | 自然 |
| 食べる量 | 食べすぎて、お腹が痛くなった。 | 自然 |
| 食べる量 | 食べたあまり、お腹が痛くなった。 | 不自然 |

「~あまり(に)」=感情・状態に圧倒されて結果になる
「~あまり(に)」は、感情や状態が非常に強く、その結果として何かが起こるときに使います。
特に、驚き・悲しみ・喜び・緊張・心配など、強い気持ちを表す言葉とよく使います。
・緊張のあまり、何も話せなかった。
・うれしさのあまり、涙が出た。
・驚きのあまり、声も出なかった。
・悲しみのあまり、食事ものどを通らなかった。
・心配のあまり、一睡もできなかった。
「~あまり(に)」は、単に「多い」「長い」という意味ではなく、その感情や状態に圧倒される感じがあります。
「~あまり(に)」の形
「~あまり(に)」は、主に次の形で使います。
| 形 | 例 |
|---|---|
| 名詞+の+あまり | 緊張のあまり、声が震えた。 |
| 動詞普通形+あまり | 考えすぎたあまり、眠れなくなった。 |
| 形容詞普通形+あまり | 忙しいあまり、家族への連絡を忘れていた。 |
ただし、会話でも文章でも特によく使われるのは、「名詞+の+あまり」です。
「~すぎて」=限度を超えて結果になる
「~すぎて」は、動作・状態・性質の程度が大きすぎて、その結果が起こるときに使います。
「基準を超えている」「普通の程度ではない」という意味が中心です。
・緊張しすぎて、何も話せなかった。
・食べすぎて、お腹が痛くなった。
・飲みすぎて、気分が悪くなった。
・働きすぎて、体を壊した。
・この部屋は暑すぎて、勉強に集中できない。
「~すぎて」は、感情だけでなく、食べる量、働く時間、暑さ、値段、静かさなど、いろいろな程度に使えます。
「~すぎて」の形
| 形 | 例 |
|---|---|
| 動詞ます形+すぎて | 食べすぎて、お腹が痛い。 |
| い形容詞語幹+すぎて | 高すぎて、買えない。 |
| な形容詞語幹+すぎて | 静かすぎて、落ち着かない。 |
同じように見える例文の違い
次の2文は、どちらも自然です。
| 例文 | ニュアンス |
|---|---|
| 緊張のあまり、何も話せなかった。 | 強い緊張に圧倒された感じ。 |
| 緊張しすぎて、何も話せなかった。 | 緊張の程度が限度を超えた感じ。 |
意味はかなり近いですが、「あまり」は心理的な圧倒感、「すぎて」は程度の超過に注目しています。
使い分けのポイント
| 使いたい意味 | 自然な表現 | 例文 |
|---|---|---|
| 感情に圧倒された | ~あまり(に) | 驚きのあまり、声も出なかった。 |
| 量や回数が多すぎた | ~すぎて | 食べすぎて、お腹が痛い。 |
| 程度が高すぎた | ~すぎて | 高すぎて、買えない。 |
| 気持ちが強くて結果が出た | ~あまり(に)/~すぎて | うれしさのあまり、涙が出た。/うれしすぎて、涙が出た。 |
JLPTで注意したいポイント
N2文法では、特に「~あまり(に)」の使える場面に注意が必要です。
○ 緊張のあまり、何も話せなかった。
○ 驚きのあまり、声も出なかった。
○ 心配のあまり、眠れなかった。
これらは自然です。強い感情が原因になっているからです。
しかし、次の文は不自然です。
× 食べたあまり、お腹が痛くなった。
× 飲んだあまり、気分が悪くなった。
この場合は、普通は「~すぎて」を使います。
○ 食べすぎて、お腹が痛くなった。
○ 飲みすぎて、気分が悪くなった。
まとめ
| 文法 | キーワード | 典型例 |
|---|---|---|
| ~あまり(に) | 感情・状態に圧倒されて | 緊張のあまり、何も話せなかった。 |
| ~すぎて | 限度を超えて | 食べすぎて、お腹が痛くなった。 |
「~あまり(に)」と「~すぎて」は、どちらも「程度が大きく、その結果が起こる」ことを表します。
ただし、「~あまり(に)」は感情や状態に圧倒された結果、「~すぎて」は量・回数・程度が限度を超えた結果を表します。
特に、「食べすぎて」「飲みすぎて」「働きすぎて」のような表現を、「食べたあまり」「飲んだあまり」「働いたあまり」にしないように注意しましょう。

以上です。



コメント