「~ないではすまない」と「~ないではおかない」を比較します。
「~ないではすまない」と「~ないではおかない」
どちらも「必ずそうなる」「そうしないわけにはいかない」という意味を表しますが、ポイントはかなり違います。
一言でいうと、
「~ないではおかない」は、強い力や意志が「必ずそうさせる」
| 表現 | 中心の意味 | ポイント | 例 |
| ~ないではすまない | しなければ許されない | 責任・謝罪・弁償・説明などが必要 | 迷惑をかけた以上、謝らないではすまない。 |
| ~ないではおかない | 必ずそうさせる/必ずそうなる | 強い意志・強い影響・感情を動かす力 | この映画は見る人を泣かせないではおかない。 |
「~ないではすまない」は「責任を取らざるを得ない」
「~ないではすまない」は、何か問題が起きたときに、謝る・説明する・弁償する・責任を取るなどをしなければ、そのままでは済ませられないという意味です。
つまり、自分の気持ちというより、まわりの状況や社会的な常識から見て「そうしないと許されない」という感じです。
たとえば、次のように使います。
この文は、「責任を取りたい」という個人的な気持ちよりも、「責任を取らなければ周囲が納得しない」「そのままでは許されない」という意味です。ほかにも、次のような言葉とよく一緒に使われます。
・謝らないではすまない。
・説明しないではすまない。
・弁償しないではすまない。
・責任を取らないではすまない。
・処分しないではすまない。
このように、「~ないではすまない」は、失敗・迷惑・損害・不正などのあとで使われることが多い表現です。
「~ないではおかない」は、必ずそうさせる強い力
一方、「~ないではおかない」は、何かを必ず実現させる、または相手に必ずある反応を起こさせるという意味です。ここには、「そのままにしておかない」「必ずそういう結果にする」という強い力があります。
たとえば、次のように使います。
この文は、「彼は強い意志を持っていて、必ず真相を明らかにするだろう」という意味です。また、人の感情を強く動かすものにも使えます。
これは、「この物語には、読む人を必ず感動させる力がある」という意味です。
よく使われる形には、次のようなものがあります。
・真相を明らかにしないではおかない。
・犯人を捕まえないではおかない。
・相手を納得させないではおかない。
・人々を感動させないではおかない。
・見る者を驚かせないではおかない。
「~ないではおかない」は、意志の強さや、作品・出来事の影響力の強さを表すときによく使われます。
例文で比較
次の二つを比べると、違いがわかりやすくなります。
これは、「謝らなければ許されない」という意味です。 社会的な責任や常識が中心です。
これは、「彼は強い意志で必ず説明する」という意味です。 本人の意志や行動力が中心です。もう一つ見てみましょう。
この場合は、「処分しなければ周囲が納得しない」「そのままでは済まされない」という意味です。
この場合は、「この事件には、必ず社会に大きな影響を与える力がある」という意味です。
「すまない」は外からの圧力、「おかない」は内からの力
二つの違いを別の角度から言うと、次のようにもいえます。
社会的責任、周囲の判断、常識、ルールなどによって、「そうしなければならない」となります。
本人の強い意志、作品の力、事件の影響力などによって、「必ずそうさせる」となります。
つまり、「~ないではすまない」は、謝罪・責任・弁償などと相性がよく、「~ないではおかない」は、決意・追及・感動・影響などと相性がいい表現です。
学習者が間違えやすいポイント
学習者がよく間違えるのは、「必ずする」という意味だけで二つを同じように使ってしまうことです。たとえば、次の文を見てください。
迷惑をかけたので、謝らないではおかない。△
文法的に完全に不可能とは言えませんが、普通は少し不自然です。 この場合は、謝罪の責任を表すので、次のように言うほうが自然で
迷惑をかけたので、謝らないではすまない。○
反対に、次の文はどうでしょうか。
この映画は観客を泣かせないではすまない。△
これも少し不自然です。 映画が観客を泣かせる力を持っている、という意味なので、次のほうが自然です。
この映画は観客を泣かせないではおかない。○
このように、「責任・謝罪・弁償」なら「すまない」、「強い意志・強い影響」なら「おかない」と考えると、かなり整理しやすくなります。
まとめ
「~ないではすまない」は、何かをしなければ社会的・状況的に許されないという意味です。 謝罪、説明、弁償、責任などとよく使われます。
一方、「~ないではおかない」は、強い意志や強い力によって、必ずそういう結果にする、または必ずそういう反応を起こさせるという意味です。 追及、解決、感動、影響などとよく使われます。
最後に、もう一度まとめると、次のようになります。
~ないではおかない:必ずそうさせる。
この違いを押さえておけば、二つの表現はぐっと使い分けやすくなります。

以上です。



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