「蔑ろにする」「なおざりにする」「疎かにする」
「蔑ろにする(ないがしろ)」「なおざりにする」「疎かにする」は、どれも「大切なことを十分に扱わない」ときに使われる表現です。
ただし、ニュアンス・用法には、はっきりとした違いがあります。
「蔑ろにする」=大切なものを軽く扱う
「なおざりにする」=きちんと対応せず放っておく
「疎かにする」=注意や努力が足りず、十分にしない
「なおざりにする」=きちんと対応せず放っておく
「疎かにする」=注意や努力が足りず、十分にしない
| 表現 | 一言でいうと | 典型的なイメージ |
|---|---|---|
| 蔑ろにする | 軽視する | 大事なのに、価値が低いように扱う |
| なおざりにする | 放置する | やるべきことを、きちんとやらないままにする |
| 疎かにする | 手を抜く | 注意・配慮・努力が足りない |
まずは例文で比べてみましょう。
- 利益を優先して、利用者の安全を蔑ろにしてはならない。
- 忙しいからといって、苦情への対応をなおざりにしてはいけない。
- 試験が近いのに、毎日の復習を疎かにしていた。

1.「蔑ろにする」=大切なものを軽く扱う
「蔑ろにする」は、本来大事にすべきものを、価値が低いかのように扱うときに使います。
単に「しない」というだけでなく、軽視・見下し・尊重しないという気持ちが感じられるのが特徴です。
「蔑ろにする」は、相手・立場・権利・安全などを軽く見るニュアンスが強い。
- 会社は利益ばかりを追い、現場の声を蔑ろにしてきた。
- 子どもの気持ちを蔑ろにして、親の考えだけを押しつけてはいけない。
- 忙しいからといって、基本的人権を蔑ろにするような対応は許されない。
よく一緒に使われる言葉
- 人権を蔑ろにする
- 安全を蔑ろにする
- 家族を蔑ろにする
- 伝統を蔑ろにする
2.「なおざりにする」=きちんと対応せず、そのままにする
「なおざりにする」は、必要なことをしっかり行わず、中途半端なまま放っておくという意味です。
「軽視」というより、対応不足・放置の感じが中心です。
「なおざりにする」は、やるべきことをきちんと処理しないままにするときに使う。
- 問題が起きているのに、学校側は説明をなおざりにしていた。
- 掃除をなおざりにすると、すぐに部屋が散らかってしまう。
- 彼はあいさつをなおざりにしがちで、冷たい印象を与えてしまう。
よく一緒に使われる言葉
- 対応をなおざりにする
- 説明をなおざりにする
- 手続きをなおざりにする
- あいさつをなおざりにする
3.「疎かにする」=注意や努力が足りず、十分にしない
「疎かにする」は、本来しっかりやるべきことを十分に行わないという意味です。
三つの中ではいちばん広く使いやすく、勉強・健康管理・確認・準備などにもよく使われます。
「疎かにする」は、軽視や放置というより、注意・配慮・努力が足りない感じを表す。
- 日本語の勉強ばかりで、体調管理を疎かにしてはいけない。
- 基礎練習を疎かにすると、なかなか上達しない。
- 忙しくても、最終確認を疎かにしないことが大切だ。
よく一緒に使われる言葉
- 勉強を疎かにする
- 確認を疎かにする
- 健康管理を疎かにする
- 基礎を疎かにする
4.三つの違いをまとめて整理
| 表現 | 中心ニュアンス | ポイント |
|---|---|---|
| 蔑ろにする | 軽視する | 大切なものを尊重しない感じがある |
| なおざりにする | 放置する | 必要な対応を十分にしないままにする |
| 疎かにする | 手を抜く | 注意・努力・配慮が足りないときに広く使える |
迷ったら、
「尊重しない」→ 蔑ろにする
「放っておく」→ なおざりにする
「十分にやらない」→ 疎かにする
と考えると整理しやすいです。
「尊重しない」→ 蔑ろにする
「放っておく」→ なおざりにする
「十分にやらない」→ 疎かにする
と考えると整理しやすいです。
5.最後に
「蔑ろにする」「なおざりにする」「疎かにする」は似ていますが、注目する点が違います。
- 蔑ろにする:相手や物事を軽く扱う
- なおざりにする:必要なことをきちんとせず放っておく
- 疎かにする:注意や努力が足りず十分にしない

N1では、こうした似た語のニュアンス差を問われることがあります。
例文の中で、「何を問題にしているのか」を意識しながら覚えると、使い分けやすくなります。
以上です。




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