「~てもともと」と「~たところで」の違い
「~てもともと」と「~たところで」は、どちらも「よい結果はあまり期待できない」という場面で使われます。
ただし、話し手の気持ちはかなり違います。
| 文法 | 一言でいうと | 気持ち |
|---|---|---|
| ~てもともと | ダメでも損はない | だから、やってみよう |
| ~たところで | やっても大した結果は出ない | だから、期待できない |
| ポイント:「~てもともと」は前向きなダメ元、「~たところで」は否定的な見込み薄です。 | ||
つまり、簡単に言うと、
~てもともと=ダメかもしれないが、やってみる
~たところで=やっても、よい結果は期待できない という違いです。
- 採用されなくてもともとだから、応募してみよう。
- 今から駅へ行ったところで、もう電車には乗れない。

「~てもともと」は「ダメでも損はない」
「~てもともと」は、よい結果にならない可能性が高いけれど、失敗しても今より悪くなるわけではないという意味です。
そのため、「だからやってみよう」という前向きな気持ちで使われることが多いです。
よく使う形は、「断られてもともと」「失敗してもともと」「負けてもともと」などです。
| 例文 | 意味 |
|---|---|
| 断られてもともとだから、先輩に頼んでみよう。 | 断られても損はない。だから頼んでみる。 |
| 失敗してもともとだと思って、新しい仕事に挑戦した。 | 失敗しても仕方がない。だから挑戦した。 |
| 相手は強いが、負けてもともとで思い切って戦おう。 | 負けても当然。だから思い切ってやる。 |
このように、「~てもともと」は、結果が悪くても受け入れる覚悟をしたうえで、行動に向かう表現です。
「~たところで」は「やっても大した結果は出ない」
「~たところで」は、何かをしても、期待するような結果にはならないという意味です。
「どうせ無理だ」「あまり意味がない」という否定的な判断を表します。
後ろには、「無理だ」「意味がない」「変わらない」「間に合わない」「解決しない」など、否定的な内容が続くことが多いです。
| 例文 | 意味 |
|---|---|
| 今さら謝ったところで、彼は許してくれないだろう。 | 謝っても、よい結果は期待できない。 |
| 一人で悩んだところで、問題は解決しない。 | 悩んでも、状況は変わらない。 |
| 急いだところで、もう電車には間に合わない。 | 急いでも、結果は変わらない。 |
「~たところで」は、行動そのものを否定するというより、その行動からよい結果は出ないと判断している表現です。
同じ場面で比べてみる
次の例で比べると、違いがわかりやすくなります。
| 文 | ニュアンス |
|---|---|
| 断られてもともとだから、頼んでみよう。 | 断られるかもしれないが、やってみる価値はある。 |
| 今さら頼んだところで、引き受けてくれないだろう。 | 頼んでも、よい結果は期待できない。 |
| 「~てもともと」は行動を後押しする表現、「~たところで」は行動しても無駄だと見る表現です。 | |
もう少し例文で確認
「~てもともと」
・落ちてもともとで、難関大学を受験してみる。
・返事が来なくてもともとだと思って、メールを送った。
・採用されなくてもともとだから、応募だけしてみよう。
・勝てなくてもともとだ。全力でぶつかっていこう。
「~たところで」
・今から勉強したところで、明日の試験には間に合わない。
・文句を言ったところで、決定は変わらないだろう。
・後悔したところで、過去には戻れない。
・一人で考えたところで、いい案は出そうにない。
まとめ
| 文法 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| ~てもともと | ダメでも損はない | 失敗を覚悟して挑戦するとき |
| ~たところで | やっても大した結果は出ない | よい結果が期待できないと判断するとき |
| まとめると、「~てもともと」は“ダメ元でやる”、「~たところで」は“やっても無駄に近い”という違いがあります。 | ||
どちらも「よい結果が出るとは限らない」という点では似ています。
しかし、「~てもともと」は前向きに行動する表現、「~たところで」は否定的に結果を予想する表現だと考えると、使い分けやすくなります。

以上です。



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