「今度」「今回」
日本語を学んでいると、「今度」と「今回」の違いが分かりにくいと感じることがあります。
- 今度の会議は金曜日です。
- 今回の会議は金曜日です。
どちらも文法的には正しいように見えますが、実際にはニュアンスが異なります。また、次のような文では違いがさらに明確になります。
- 今度、食事に行きましょう。〇
- 今回、食事に行きましょう。△
なぜこのような違いが生じるのでしょうか。この記事では、「今度」と「今回」の意味や使い分けを、日本語学習者向けに分かりやすく解説します。
「今度」と「今回」の違いを一言でいうと
まずは結論から見てみましょう。
| 表現 | 基本イメージ |
|---|---|
| 今度 | 次の機会・近い未来 |
| 今回 | 今まさに対象となっている出来事 |
- 今度=未来を見る表現
- 今回=現在または過去を見る表現
と考えると理解しやすくなります。
「今度」の意味
「今度」は、「次の機会」「近いうち」「次回」という意味で使われることが多い言葉です。
例文
- 今度、一緒に食事に行きましょう。
- 今度の試験は難しそうだ。
- 今度東京へ行く予定です。
これらの文に共通するのは、まだ起きていない出来事を指していることです。
「今度」は曖昧な未来を表す
特に会話では、
という表現をよく耳にします。ここでの「今度」は、
- 来週
- 来月
- 近いうち
など、具体的な時期を示していません。単に「将来のある時点」を表しています。
「今回」の意味
「今回」は、「今問題になっている出来事」「現在の案件」「この回」という意味を表します。
例文
- 今回の試験は難しかった。
- 今回の旅行は楽しかった。
- 今回のプロジェクトは成功した。
これらはすべて、
を指しています。
「今回」は対象を限定する
例えば、「今回の会議」と言えば、「今話しているその会議」を意味します。
未来か過去かは重要ではありません。重要なのは、「対象としている会議」を示すことです。
なぜ「今度ご飯に行きましょう」は自然なのか
日本語学習者が特によく迷うのが次の例です。
- 今度ご飯に行きましょう。〇
- 今回ご飯に行きましょう。△
「今回」は現在の出来事を指します。しかし、「ご飯に行く」という行為はまだ実現していません。そのため、
には不自然さがあります。一方で、
は未来の約束なので自然です。
なぜ「今回の旅行」は自然なのか
逆に、
は自然です。なぜなら旅行がすでに実施されており、「今話題にしている旅行」を指しているからです。
この場合、
と言うことはできません。「今度」は未来を含意するためです。
「今度」は未来だけではない?
実は、「今度」には少し特殊な使い方もあります。
例えば、
この場合は、まだ就任していない「次の社長」を意味しています。つまり「今度」は、必ずしも日時ではなく、「次に来るもの」を表すことができます。
例
- 今度の担当者
- 今度の首相
- 今度の監督
いずれも「次の○○」という意味です。
使い分けのポイント
迷ったら次の表を思い出してください。
| 言いたいこと | 自然な表現 |
| 次の機会 | 今度 |
| 将来の予定 | 今度 |
| 今話題になっている出来事 | 今回 |
| 終わった出来事の評価 | 今回 |
| 現在進行中の案件 | 今回 |
例
〇 今度お会いしましょう。
× 今回お会いしましょう。
〇 今回の会議は有意義だった。
× 今度の会議は有意義だった。(まだ終わっていない場合)
まとめ
「今度」と「今回」は似ていますが、視点が異なります。
- 今度=未来や次の機会に目を向ける表現
- 今回=現在または過去の特定の出来事に目を向ける表現
簡単に言えば、
です。この違いを理解すると、日本語らしい自然な表現を選べるようになります。

以上です。



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