「たびに」「ごとに」「につけ」の違い

「たびに」「ごとに」「につけ」

「たびに」「ごとに」「につけ」の違いについて学習しましょう。

一言で言うと

「たびに」は、何かが起こると毎回そうなることを表します。
「ごとに」は、一回一回、または一定の単位ごとに変化したり区切られたりすることを表します。
「につけ」は、何かを見たり聞いたりするたびに、心の中に感情や思いが起こることを表します。次のように分けるとわかりやすいです。

「たびに」=毎回そうなる
「ごとに」=回数・時間・単位を重ねる
「につけ」=そのたびに心が動く

たとえば、次の三つの文を比べてみましょう。

・コンビニに行くたびに、コーヒーを買う。
・練習するごとに、少しずつ上手になる。
・昔の写真を見るにつけ、故郷を思い出す。

どれも「そのとき、そのとき」という意味を持っていますが、文の感じはかなり違います。

「たびに」は、毎回そうなる

「たびに」は、あることが起こると、毎回同じようなことが起こる、という意味です。

・彼に会うたびに、元気をもらう。
・旅行に行くたびに、お土産を買う。
・この店に来るたびに、同じ料理を注文する。
・雨が降るたびに、この道は混雑する。

「AたびにB」は、「Aすると、毎回Bになる」という意味です。つまり、「たびに」の中心は反復です。毎回同じことが起こる、毎回同じ行動をする、毎回同じ気持ちになる、というときに使います。

日常会話でも文章でもよく使われる、とても普通の表現です。

「たびに」は行動にも感情にも使える

「たびに」は、行動にも感情にも使えます。

・母に電話するたびに、長話になる。
・この歌を聞くたびに、学生時代を思い出す。
・失敗するたびに、少しずつ強くなる。
・ニュースを見るたびに、不安になる。

このように、「たびに」はかなり広く使えます。ただし、「毎回」という感じが強いので、機械的な反復にも使えます。

・駅に行くたびに、切符を買う。
・スーパーに行くたびに、牛乳を買う。

この場合は、特別な感情はありません。ただ「毎回そうしている」という事実を言っています。

「ごとに」は、一回一回・一定の単位ごとに

「ごとに」も「毎回」に近い意味を持ちます。しかし、「ごとに」は「一回一回」「一つ一つ」「一定の単位ごとに」という感じが強い表現です。

・一日ごとに、寒くなってきた。
・年を取るごとに、健康の大切さがわかる。
・試合をするごとに、チームは強くなっていった。
・読むごとに、この小説の面白さがわかる。

「ごとに」は、回数や時間を重ねるにつれて変化していく、という文でよく使われます。「練習するごとに上手になる」は、練習を一回一回重ねることで、だんだん上手になるという意味です。

ここが「たびに」との大きな違いです。

・練習するたびに、先生に注意される。
・練習するごとに、少しずつ上手になる。

「たびに」は、練習のたびに毎回注意されるという意味です。
「ごとに」は、練習を重ねるにつれて上達していくという意味です。

「ごとに」は単位を表すときにも使う

「ごとに」は、時間・人数・場所・回数などの単位と一緒によく使われます。

・一週間ごとにテストがある。
・三人ごとにグループを作ってください。
・駅ごとに乗客が増えていった。
・ページごとに絵が入っている。

この場合の「ごとに」は、「その単位一つ一つに」という意味です。

・「一週間ごとに」は「一週間に一回」という意味です。
・「三人ごとに」は「三人ずつ」という意味です。
・「駅ごとに」は「それぞれの駅で」という意味です。

このように、「ごとに」は「毎回」だけでなく、「単位ごとに分ける」という意味でも使われます。

「につけ」は、そのたびに心が動く

「につけ」は、あるものを見たり聞いたりするたびに、心の中に何かの思いが起こることを表します。

・昔の写真を見るにつけ、故郷を思い出す。
・子どもの成長を見るにつけ、月日の早さを感じる。
・彼の努力を知るにつけ、自分も頑張らなければと思う。
・戦争の話を聞くにつけ、平和の大切さを考えさせられる。

「につけ」は、単なる反復ではありません。何かをきっかけにして、感情・感慨・思考が起こる表現です。そのため、「思い出す」「感じる」「考える」「痛感する」「胸が痛む」「ありがたく思う」など、心の動きを表す言葉とよく一緒に使われます。

「につけ」は少し硬い表現

「につけ」は、日常会話で頻繁に使う表現ではありません。
どちらかというと、文章語的で、少し硬く、しみじみした感じがあります。

・この歌を聞くたびに、昔を思い出す。
・この歌を聞くにつけ、昔のことが思い出される。

上の文は普通の言い方です。下の文は、少し文学的で、しみじみした感じがあります。

「につけ」は、感情を静かに深く表したいときに使う表現だと考えるとわかりやすいです。

「たびに」と「につけ」の違い

次の二つを比べてみましょう。

・母に会うたびに、土産をもらう。
・母に会うにつけ、昔の苦労を思い出す。

「母に会うたびに、土産をもらう」は、毎回土産をもらうという事実です。中心は反復です。「母に会うにつけ、昔の苦労を思い出す」は、母に会うことがきっかけになって、心の中に思いが起こっています。中心は感情や思考です。

つまり、

「たびに」=毎回起こる事実
「につけ」=そのたび心に浮かぶ思い

という違いがあります。

「ごとに」と「につけ」の違い

次に、「ごとに」と「につけ」を比べてみましょう。

・読むごとに、この本のよさがわかってくる。
・この本を読むにつけ、亡くなった先生を思い出す。

「読むごとに」は、読む回数を重ねることで、だんだん理解が深まっていくという意味です。中心は変化です。「読むにつけ」は、本を読むことがきっかけになって、先生のことを思い出すという意味です。中心は感情や思いです。

つまり、

「ごとに」=回数を重ねて変化する
「につけ」=きっかけに触れて心が動く

という違いがあります。

不自然な使い方に注意

「につけ」は、単なる行動の反復にはあまり使いません。

・コンビニに行くにつけ、コーヒーを買う。×

これはかなり不自然です。
この場合は、普通に次のように言います。

・コンビニに行くたびに、コーヒーを買う。

なぜなら、「コーヒーを買う」は単なる行動だからです。
心がしみじみ動いているわけではありません。一方、次の文なら自然です。

・コンビニの前を通るにつけ、学生時代のアルバイトを思い出す。

この文では、「コンビニの前を通ること」がきっかけになって、昔のことを思い出しています。感情や記憶が関係しているので、「につけ」が使いやすくなります。

まとめ

「たびに」「ごとに」「につけ」は、どれも「そのとき、そのとき」という意味を持っています。
しかし、中心になるポイントが違います。

「たびに」は、毎回そうなることを表します。
行動・出来事・感情など、広く使える普通の表現です。

「ごとに」は、一回一回、または一定の単位ごとに、変化したり区切られたりすることを表します。
特に「だんだん変わる」という文でよく使われます。

「につけ」は、何かを見たり聞いたりするたびに、心の中に感情や思いが起こることを表します。
少し硬く、文章語的で、しみじみした表現です。

最後に、もう一度例文で確認しましょう。

この歌を聞くたびに、学生時代を思い出す。
この歌を聞くごとに、歌詞の深さがわかってくる。
この歌を聞くにつけ、亡くなった友人のことが思い出される。
「たびに」は毎回。
「ごとに」は重ねるごとの変化。
「につけ」は心の動き。

この三つを分けて考えると、かなり使い分けやすくなります。

「たびに」「ごとに」「つけて」まとめ表

以上です。

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