「それに」「それから」の違い

それに それから 違い

「それに」と「それから」(並列)

 ほとんどの場合、「それに」「それから」共に使えます。

  • パンバーガー、コーラ、(それに/それから)ポテトもください。
  • 代表は佐藤、鈴木、(それに/それから)田中の3人だ。
  • 里見さんは美人でスタイルがいい。(それに/それから)おしゃれに敏感だ。
  • このマンションは駅から近い、(それに/それから)環境もいい。

物事を並列的に述べる時、共に使えます。

「それに」「それから」どちらも使えるが意味が少し違う場合

次の例も「それに」「それから」の両方が使えるケースですが、上記の例と違って意味上の違いが出てきます。

狼山に行った、(それに/それから)滨江公園にも行った。
左:狼山、右:滨江公園から見た夕方の長江

左:狼山、右:滨江公園から見た夕方の長江

上の例では「それに」を使うと狼山に加えて滨江公園も行った、という添加の意味なのに対し、「それから」を使うと、最初に狼山へ行って、続いて滨江公園に行った、という時系列的動作を表すことになり、少し意味合いが異なってきます。

「それに」「それから」用法上の差異

 上の意味上の違いは「それから」には「添加」に加えて「時系列動作」を示す用法があるということに起因します。

「それに:並列、添加」「それから:並列、添加、時系列」

「それに:並列、添加」「それから:並列、添加、時系列」

「それから」しか使えない場合 ①

ですから「時系列」動作を表したい時は「それに」が使いにくいということになります。

PCR検査をして(〇それから/×それに)授業に行った。

「それから」しか使えない場合 ②

もう一つ、例外的な「それから」のみの用法として、忘れていたことを後から付け加える時、つまり次のような会話では「それから」が好ましいようです。

連絡は以上です。…あ、(〇それから/×それに)次回は木曜日に行いますので、よろしく。

以上、「中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック」3Aネットワークなどを参考にさせていただきました。

 

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