「~てしかるべきだ」と「~べきだ」の違い|当然の評価?行動の義務?〔N1文法〕

「てしかるべき」「べき」

「~てしかるべきだ」と「~べきだ」

 「~てしかるべきだ」と「~べきだ」は、どちらも「そうするのが適切だ」という意味を持つ表現です。しかし、比べてみると、「当然そう評価されるべきだ」と判断するのか、「その行動をするべきだ」と求めるのかという違いがあります。

① 彼の長年の努力は、もっと評価されてしかるべきだ。
→ これだけ努力したのだから、評価されるのが当然だ

② 私たちは、彼の長年の努力をもっと評価するべきだ。
→ 私たちは、もっと評価するという行動をしたほうがいい

「~てしかるべきだ」= そうなって当然・そう評価されるのが妥当
「~べきだ」= そうするのが望ましい・そうする必要がある

「しかるべきだ」「べきだ」簡単比較

違いのまとめ

項目~てしかるべきだ~べきだ
中心の意味そうなって当然・妥当そうするのが望ましい
焦点状態・評価行動・義務
よく使う形評価されて/認められて/尊敬されて+しかるべきだ評価する/認める/守る+べきだ

以下、個別に詳述します。

「~てしかるべきだ」―「当然そうなっていい」

「~てしかるべきだ」は、ある事情や実績などから考えて、「当然そのように扱われるべきだ」「それが妥当だ」と判断するときに使います。

・これだけ社会に貢献した人は、もっと尊敬されてしかるべきだ
・長年努力してきた彼は、もっと認められてしかるべきだ
・重大な規則違反なのだから、厳しく処分されてしかるべきだ

「~てしかるべきだ」は、人に直接「~しなさい」と求めるより、ある状態や評価が「当然だ」と判断する表現です。

「~べきだ」―「その行動をしたほうがいい」

「~べきだ」は、話し手が「それをするのが正しい」「それをする必要がある」と考えるときに使います。

・約束は守るべきだ
・間違えたら素直に謝るべきだ
・会社は社員の努力をもっと評価するべきだ

こちらは、人の行動に対する助言・義務・主張を表すことが多いです。

同じ内容でも視点が変わる

彼の功績はもっと評価されてしかるべきだ。
→ 彼は、もっと評価されて当然だ

私たちは彼の功績をもっと評価するべきだ。
→ 私たちは、もっと評価する必要がある

「評価されてしかるべきだ」は「評価される側」に注目し、「評価するべきだ」は「評価する側の行動」に注目しています。

接続

表現接続
~てしかるべきだVて+しかるべきだ評価されてしかるべきだ
~べきだV辞書形+べきだ
※「する」は「するべきだ/すべきだ」
評価するべきだ

まとめ

「~てしかるべきだ」=「そうなって当然だ」という評価・判断
「~べきだ」=「そうする必要がある」という行動への要求・助言

どちらにも「べき」が入っていますが、「当然そう扱われるべきなのか」「誰かがその行動をするべきなのか」を見ると、違いがわかりやすくなります。

「てしかるべきだ」「べきだ」

以上です。

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