「~ていらっしゃる」と「~ておいでになる」
「先生は今、本を読んでいらっしゃいます。」
「先生は今、本を読んでおいでになります。」
どちらも「先生は今、本を読んでいます」の正しい尊敬表現です。でも、使った感じは少し同じではありません。この記事では、「~ていらっしゃる」と「~ておいでになる」について考えます。
「~ていらっしゃる」も「~ておいでになる」も、どちらも「~ている」の尊敬表現です。敬意の強さに大きな差があるわけではありません。
違いは主に「使われ方」です。現代では「~ていらっしゃる」の方が一般的で、「~ておいでになる」はややかたい・上品・少し古風に聞こえることがあります。
~ていらっしゃる: 社長は今、会議室でお客様と話していらっしゃいます。
~ておいでになる: 社長は今、会議室でお客様と話しておいでになります。

ざっくり比較
| 項目 | ~ていらっしゃる | ~ておいでになる |
|---|---|---|
| 意味 | 「~ている」の尊敬表現 | 「~ている」の尊敬表現 |
| 敬意 | 高い | 高い |
| 違い | 現代で最もよく使う、自然で一般的 | 使用頻度は低め。ややかたい・上品・少し古風に感じることがある |
| おすすめ度 | まずはこちらを覚えればOK | 意味がわかれば十分。使えたら理解が深い |
1. そもそも、どちらも何の尊敬語?
まず確認しておきたいのは、「いらっしゃる」と「おいでになる」は、どちらも「行く・来る・いる」の尊敬語だということです。
たとえば、
- 先生は研究室にいる。→ 先生は研究室にいらっしゃる/おいでになる。
- 先生が学校に来る。→ 先生が学校にいらっしゃる/おいでになる。
- 先生が会場に行く。→ 先生が会場にいらっしゃる/おいでになる。
そして、補助動詞の形になると、
- 先生は本を読んでいる。
- 先生は本を読んでいらっしゃる。
- 先生は本を読んでおいでになる。
となります。
補助動詞としては、「~ていらっしゃる」と「~ておいでになる」は、どちらも「~ている」の尊敬語です。
2. 敬意の強さに差はある?
ここがいちばん気になるところですね。
結論から言うと、「~ていらっしゃる」より「~ておいでになる」の方が敬意が高い、とまでは言えません。どちらも十分に丁寧な尊敬表現で、敬意の大きな差で区別するより、使われ方や語感の違いで考える方が自然です。
ポイント:「どちらが上か」ではなく、「どちらが今よく使われるか」で考えるとわかりやすいです。
3. いちばん大きい違いは「使用頻度」
「~ていらっしゃる」は、現代の日本語でとてもよく使われます。学校、会社、接客、会話、スピーチなど、いろいろな場面で自然です。一方、「~ておいでになる」も間違いではありませんが、「~ていらっしゃる」より使われることは少ないです。
そのため、人によっては、
- ややかたい
- やや上品
- 少し古風
- 少しあらたまった感じ
のように感じることがあるのではないでしょうか。
| 文 | 印象 |
|---|---|
| 先生は何を研究していらっしゃいますか。 | 自然で一般的 |
| 先生は何を研究しておいでになりますか。 | 意味は同じ。ややかたい・改まった感じ→よりていねい? |
4. 単独の「おいでになる」と、補助動詞の「~ておいでになる」は少し分けて考える
ここも大事です。
「おいでになる」そのものは、今でも「来る・行く・いる」の尊敬語として比較的目にします。
たとえば、
- 先生はもう研究室においでになります。
- 校長先生がこちらへおいでになります。
これはそれほど不自然ではありません。でも、補助動詞の形である「~ておいでになる」になると、「~ていらっしゃる」より珍しく感じやすいです。
「おいでになる」が全部古い、というわけではありません。特に補助動詞として「~ておいでになる」の形で使うと、やや特殊な響きが出やすいのです。
5. どう使い分ければいい?
次のように考えれば十分です。
| 使い方 | おすすめ |
|---|---|
| まず基本を身につけたい | ~ていらっしゃる を覚える |
| 文章や会話で別の言い方も理解したい | ~ておいでになる も知っておく |
| 自分で自然に使いたい | まずは ~ていらっしゃる を使えば安全 |
「~ていらっしゃる」をしっかり使えれば十分です。「~ておいでになる」は、読んだときに意味がわかること、必要なら使えることを目標にするとよいでしょう。
6. 例文で確認
「~ていらっしゃる」の例
- 部長は今、お客様と話していらっしゃいます。
- 先生は日本文学を研究していらっしゃいます。
- おばあさまは今、庭で花を見ていらっしゃいます。
「~ておいでになる」の例
- 部長は今、お客様と話しておいでになります。
- 先生は日本文学を研究しておいでになります。
- おばあさまは今、庭で花を見ておいでになります。
どの文も意味はほぼ同じですが、後者の方がややかたく感じられるようです。
まとめ
| まとめポイント | 内容 |
|---|---|
| 共通点 | どちらも「~ている」の尊敬表現 |
| 敬意 | 大きな差はない |
| 違い | 「~ていらっしゃる」は一般的、「~ておいでになる」はややかたい・上品・少し古風に感じることがある |
| 学習のコツ | まずは「~ていらっしゃる」をしっかり覚える |
ここが大事:
「~ていらっしゃる」と「~ておいでになる」は、どちらも正しい尊敬表現です。
違いは主に敬意の強さではなく、現代での使われ方や語感にあります。
迷ったら、まずは「~ていらっしゃる」を使いましょう。

以上です。



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