「~にかかると」「~にかかっている」「~にかかわる」
N1文法頻出の「~にかかると」「~にかかっている」「~にかかわる」について比較します。これらは形は似ていますが、意味はかなり違います。
「かかる」は、もともと「何かが何かに及ぶ・つながる」というイメージを持つ言葉です。そのため、「人の力が及ぶ」と考えれば「~にかかると」になります。
「結果がある条件に乗っている」と考えれば「~にかかっている」になります。
そして、「影響が命・信用・将来などの重大なものにまで及ぶ」と考えれば「~にかかわる」になります。
「~にかかると」=人・物の力が及ぶ
「~にかかっている」=結果が条件に乗っている
「~にかかわる」=影響が重大なものにまで及ぶ
まずは、大きな違いを表で確認してみましょう。
| 文法 | 一言でいうと | 中心イメージ | 例文 |
|---|---|---|---|
| ~にかかると | その人・物の力で結果が変わる | 能力・腕前・影響力 | プロにかかると、古い写真もきれいによみがえる。 |
| ~にかかっている | 結果はそれ次第で決まる | 成否・条件・責任 | 合格できるかどうかは、これからの努力にかかっている。 |
| ~にかかわる | 重大なことに関係する | 命・信用・将来・責任 | これは命にかかわる問題だ。 |
1.「~にかかると」=その人・物の力が及ぶ
「~にかかると」は、ある人や物の能力・技術・影響力によって、普通とは違う結果になることを表します。
「Aにかかると、Bになる」=Aの力が働くと、Bのような結果になる
特に、「プロ」「名人」「専門家」「彼女」「この機械」など、力や技術を持つ人・物が前に来ることが多いです。
- プロの料理人にかかると、普通の野菜も高級料理のようになる。
- 彼女にかかると、難しい説明もとてもわかりやすくなる。
- この修理屋にかかると、壊れた時計も元通りになる。
- 名人にかかると、一本の木が美しい仏像に変わる。
この表現では、「すごい人の手にかかると、結果が変わる」というニュアンスが強く出ます。そのため、少し感心したり、驚いたりする気持ちを含むことも多いです。
| 普通の言い方 | 「~にかかると」を使った言い方 |
|---|---|
| プロが直すと、きれいになる。 | プロにかかると、きれいになる。 |
| 先生が説明すると、わかりやすい。 | 先生にかかると、難しい文法もわかりやすくなる。 |
2.「~にかかっている」=結果はそれ次第で決まる
「~にかかっている」は、成功するか失敗するか、よい結果になるか悪い結果になるかが、ある条件に左右されることを表します。
「結果はAにかかっている」=結果はA次第で決まる
前には、「努力」「判断」「準備」「天気」「交渉」「今後の対応」など、結果を左右する条件が来ます。
- 試験に合格できるかどうかは、これからの努力にかかっている。
- この計画が成功するかどうかは、最初の準備にかかっている。
- 試合の勝敗は、最後の一点にかかっている。
- 会社の信頼を取り戻せるかどうかは、今後の対応にかかっている。
この表現では、「それが鍵だ」「そこに責任がある」「それ次第で決まる」という意味になります。「~次第だ」と言い換えられることが多いです。
| 文 | 言い換え |
|---|---|
| 合格は努力にかかっている。 | 合格は努力次第だ。 |
| 成功は準備にかかっている。 | 成功は準備次第だ。 |
3.「~にかかわる」=重大なことに関係する
「~にかかわる」は、あることが、命・信用・将来・名誉・責任など、重大なものに関係することを表します。
「Aにかかわる」=Aに重大な影響がある/Aと深く関係する
特に、次のような言葉とよく使います。
- 命にかかわる
- 信用にかかわる
- 将来にかかわる
- 名誉にかかわる
- 会社の存続にかかわる
例文です。
- これは命にかかわる問題なので、すぐに病院へ行ったほうがいい。
- 小さなミスでも、会社の信用にかかわることがある。
- 進路選択は、学生の将来にかかわる大切な問題だ。
- この発言は、彼の名誉にかかわる。
- 今回の交渉は、会社の存続にかかわる重要なものだ。
「~にかかわる」は、ただ「関係がある」という意味ではありません。
多くの場合、重大な影響があるというニュアンスを含みます。
| 弱い関係 | 重大な関係 |
|---|---|
| この話は私に関係がある。 | この話は私の将来にかかわる。 |
| このミスは会社に関係がある。 | このミスは会社の信用にかかわる。 |
4.三つの違いを比べる
三つの違いを、もう一度整理してみましょう。
| 文法 | 何が及ぶ? | 意味 | よく使う語 |
|---|---|---|---|
| ~にかかると | 人・物の力が及ぶ | その力で結果が変わる | プロ、名人、先生、彼女、この機械 |
| ~にかかっている | 結果が条件につながっている | 結果はそれ次第で決まる | 努力、準備、判断、対応、天気 |
| ~にかかわる | 影響が重大なものに及ぶ | 重大な関係がある | 命、信用、将来、名誉、存続 |
ポイントは、「何が、どこに及ぶのか」です。
人の力が及ぶなら「~にかかると」。
結果が条件につながっているなら「~にかかっている」。
影響が重大なものに及ぶなら「~にかかわる」です。
5.似た文で違いを確認する
似た言葉を使って、違いを確認してみましょう。
例1:先生
- この先生にかかると、難しい文法も簡単に見える。
- 学生が合格できるかどうかは、この先生の指導にかかっている。
- 先生の一言は、学生の将来にかかわることもある。
一つ目は、先生の力で結果が変わるという意味です。
二つ目は、合格という結果が先生の指導次第で決まるという意味です。
三つ目は、先生の言葉が学生の将来に重大な影響を与えるという意味です。
例2:医者
- 名医にかかると、難しい手術も成功することがある。
- 患者の回復は、これからの治療にかかっている。
- この判断は、患者の命にかかわる。
ここでも、意味の方向が違います。
| 表現 | 見るポイント |
|---|---|
| 名医にかかると | 名医の力・技術 |
| 治療にかかっている | 回復を左右する条件 |
| 命にかかわる | 重大な影響 |
6.間違えやすいポイント
「~にかかっている」と「~にかかわる」は、特に混同しやすいです。たとえば、次の文を見てください。
- この試験の結果は、今後の努力にかかっている。
- この試験の結果は、彼の将来にかかわる。
一つ目は、努力によって結果が決まるという意味です。
二つ目は、試験の結果が将来に重大な影響を与えるという意味です。
「~にかかっている」は、結果を決める条件。
「~にかかわる」は、その結果が影響する重大な対象。
つまり、
- 合格は努力にかかっている。
- 合格は将来にかかわる。
のように考えるとわかりやすいでしょう。
7.まとめ
「~にかかると」「~にかかっている」「~にかかわる」は、どれも「かかる」を含む表現ですが、使い方は違います。
ただし、根本には、「何かが何かに及ぶ・つながる」という共通イメージがあります。
| 文法 | 一言まとめ | 例文 |
|---|---|---|
| ~にかかると | その人・物の力で結果が変わる | プロにかかると、古い写真もきれいになる。 |
| ~にかかっている | 結果はそれ次第で決まる | 成功は準備にかかっている。 |
| ~にかかわる | 重大なことに関係する | これは命にかかわる問題だ。 |
「~にかかると」は、力の影響。
「~にかかっている」は、結果を左右する条件。
「~にかかわる」は、重大な関係。
この三つで整理すると、かなりわかりやすくなります。
形が似ている文法ほど、意味を丸暗記するよりも、共通するイメージから整理すると理解しやすくなります。
今回の三つは、「何が、どこに及ぶのか」を考えるのがポイントです。

以上です。



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