否定の接辞「無」「未」「反」(「不」「非」)について

不非無未反
不非無未反

まず問題です

「無」「未」「反」「不」「非」のどれかを入れましょう。

  • 彼には多くの(  )完成の仕事がある。
  • この山では(  )計画な伐採が続いている。
  • コロナ禍では(  )必要な外出は控えた方が良い。
  • 彼は(  )民主主義的な言動を繰り返している。
  • 天皇陛下のお住まいは一般には(  )公開である。
(解答はこの記事の最後にあります)

「無」「未」「反」「不」「反」の使用例

 まず「無」「未」「反」「不」「反」の使用例を見てみましょう。

「無」「未」「反」「不」「非」の使用例

「無」「未」「反」「不」「非」の使用例

「不」と「非」

 「不」と「非」は「~ではない」という否定を示します。客観的否定の「不」(不安定、不必要など)に対し、「非」は「道理・道徳に合っていない」言葉(非合法、非礼など)を作るという特徴があります。

 「不」と「非」の詳細については別記事で解説していますので参照ください。

「無」「未」「反」のつく語の意味

 本記事では「無」「未」「反」のつく語について検討します。

「無」「未」「反」のつく語の意味

「無」「未」「反」のつく語の意味

無「~がない」:無資格=資格がない、無気力=気力がない、無線=線がない、無常=常(変わらない状態)がない。

未「まだ~ない」:未完成=まだ完成していない、未成年=まだ成年でない、未来=まだ来ていない、未遂=まだ遂げていない

反「~に反する」:反社会=社会に反する、反民主主義=民主主義に反する、反戦=戦争に反する、反日=日本に反する

「反」は多義語

 「反」は「~に反する」以外に「応答する」「繰り返す」という意味もありますから注意が必要です。

「反」~に反する、応答する、繰り返す

「反」~に反する、応答する、繰り返す

「無」「未」「反」のつく語の文法

「無」「未」「反」の語法

「無」「未」「反」の語法

無:「無」は名詞につきます。そしてできあがった「無○○」も基本は名詞ですが、「無気力な」「無計画な」「無益な」「無茶な」のようにナ形容詞(形容動詞)として使われるものもあります。

未:「未」は原則動詞につくと考えられます。だた上の表の例では「未成年」は日本語としては名詞についていますが、成年を「年に成らず」と言う風にとらえれば広く「動詞的な語につく」と理解することができるでしょう。

反:「反」は名詞につき名詞を作ります。「的」をつけてナ形容詞(形容動詞)化することができるものが多いようです。

(以上、中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック スリーエーネットワーク社刊 などを参考にさせていただきました)

冒頭穴埋め問題の答え:順に未、無、不、反、非

 

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