「~たことがある」と中国語の「V过」
「~たことがある」は経験・経歴だけを表す
「~たことがある」は「V过」より使える範囲が狭いです。「V过」は以下に示すように「経験」と「完成」を表しますが、「~たことがある」は「経験」しか表せません。
你吃过蛇肉吗? | 経験 | 蛇の肉を食べたことがありますか。 |
你吃过饭了吗? | 完成 | ご飯をたべましたか。 |
「~たことがある」は最近のことは表せない
「~たことがある」にはさらに制約があって最近のこと(基準時から隔たりが大きいこと)には使えません。
- 〇 以前、旅行に行った時、蛇の肉を食べたことがあります。
- × 昨日、蛇の肉を食べたことがあります。
「最近の経験」を表現する時は「~ている」を使うことが多いです。
- 〇 彼は昨日、蛇の肉を食べている。
- × 彼は昨日、蛇の肉を食べたことがある。
- 〇 犯人は3日前にここで食事をしている。
- × 犯人は3日前にここで食事をしたことがある。
「~ている」の5用法については以下参照ください。
「~ている」はずっと以前のことも表せます。
- 以前、旅行に行った時、蛇の肉を食べている。
ここまでの説明だと「~ている」は万能のようですが、「~たことがある」しか使えないケースもあります。
「~たことがある」しか使えないケース
「~たことがある」は動詞以外への接続が可能です。
- 私の先生はビジネスマンだったことがある。
- 私は濃厚接触者だったことがある。
意味のある「経歴」を示そうとする時は「~たことがある」を使い「~ている」は使いません。
- 〇 蛇の肉を食べたことがある。
- × 蛇の肉を食べている。
~ことがある(た形接続以外)
「~たことがある」の形、すなわち「た形+ことがある」以外の「~ことがある」は、「そういう場合がときどきある」ということを表します。
- 私は中南城へ牛丼を食べに行くことがある。
- 先生は学期中でも休みのことがある。
(以上、初級を教える人のための日本語文法ハンドブック、中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック(3Mネットワーク)などを参考にさせていただきました。)
コメント