「はずれる」と「それる」の違い

「はずれる」「それる」

「にわかに」「突然」「急に」「いきなり」の違いについて考えましょう。

まずは問題です

(     )の中に「はずれる」「それる」のうち適切なものを入れてください。

  • 予想が(     )。
  • 横道に(     )。
  • ボタンが(     )。
  • 方向が(     )。
  • 話が(     )。

答えは記事の最後にあります。

「はずれる」「それる」

「はずれる」は「狙ったところにいかない」こと、「それる」は「進行方向や主題からずれていく」ことを表します。

反対語を考えてみよう

  • 「はずれる」の反対は「当たる」、つまり「はずれる」=「当たらない」
  • 「それる」の反対は「そのままいく」、つまり「それる」=「そのままいかない」
「はずれるーあたる」「それるーそのままいく」

「はずれるーあたる」「それるーそのままいく」

「的/軌道」を「はずれる/それる」

「的をはずれる」「的をそれる」、「軌道をはずれる」「軌道をそれる」はどちらも使える例です。

的を(はずれる/それる)軌道を(はずれる/それる)
的をはずれる矢軌道をはずれる
「的をはずれる」は「狙ったけれども、うまく射ることができずに当たらない」、「的をそれる」は「(例えば、矢が風に流されて)的と違うところに向かってしまう」というイメージがあります。ほぼ、同義ですが、あえて違いを挙げれば、「軌道をはずれる」は「それまでの軌道と同じではなくなる」イメージ、「軌道をそれる」は「同じでなくなった後、別の方向へ向かう」イメージになります。

「ボタン/宝くじ」→「はずれる」、「進路」→「それる」

「ボタンがはずれる」「宝くじがはずれる」、「進路がそれる」などは、どちらかしか使えない例です。

ボタンがはずれる、宝くじがはずれる台風の進路がそれる
ボタン、宝くじボタン、宝くじ
「ボタンがはずれる」「宝くじがはずれる」ともに、狙い通りにはいかない(=当たらない)という意味です。台風などの進路は「予想」はありますが「狙い」ではありませんので、予想通りでない場合「それる」ことになります。
「はずれる」「それる」のどちらが使えるかの基準では「狙っているかどうか」が大きな基準になるようです。

冒頭問題のこたえ

  • 予想が( はずれる )。
  • 横道に( それる )。
  • ボタンが( はずれる )。
  • 方向が( それる )。
  • 話が( それる )。

以上です。

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