みんなの日本語（初級１）第12課教案Tips

みんなの日本語（初級１）第12課の重要導入ポイントについて考えましょう。

11課でうんざりするような「日本語の助数詞」に出会い、続く12課では「形容詞の過去形、比較」という重要事項を学びます。「日本語には形容詞にまで過去形があるんですか！？」と、「日本語は難しい！」ということにならないよう、次のような導入方法はいかがでしょう。

日本語の三文型を再確認
動詞文の過去と否定
名詞文、形容詞文の過去、否定の言い方
1. 名詞、ナ形容詞
比較表現

日本語の三文型を再確認

　「名詞述語文」「動詞述語文」そして第8課で「形容詞述語文」と、三文型が出そろったところで、日本語の文型について言及しました。

日本語3文型（第8課形容詞導入時）

動詞文の過去と否定

　三文型のうち、動詞文については「過去、否定」の言い方は第4課で習得済みです。では、名詞文、形容詞文の「過去、否定」については、どう表現しますか？

名詞、形容詞の過去はどう表す？

名詞文、形容詞文の過去、否定の言い方

　それは、動詞文とはちょっと違う言い方になります。

名詞、ナ形容詞、イ形容詞の過去、否定の表し方

いきなり「形容詞の過去形」というより、三文型の現在、過去、否定の言い方をこれでコンプリートできる、というイメージで導入をするのもよいかと思います。

名詞、ナ形容詞

　しかる後に一つ一つ確認します。まず名詞とナ形容詞は全く同じです。

名詞の過去、否定

名詞（過去、否定）

ナ形容詞（形容動詞）の過去、否定

ナ形容詞（過去、否定）

イ形容詞（形容詞）の過去、否定

　イ形容詞は少し慣れが必要です。

イ形容詞（過去、否定）

と、導入した後、この課に関しては、次の「比較表現」も含め、練習問題はしっかりやって定着させます。

比較表現

　この課の内容はけっこう盛りだくさんになります。比較表現も慣れるまでは少し時間がかかりますが、まずテキストの3表現をそのままの形でマスターさせることが大切かと考えます。

「A」は「B」より「形容詞」です。

北海道は九州より大きいです。
ニューヨークは大阪より寒いですか。

「A」と「B」とどちらが「形容詞」ですか。ー「A／B」の方が「形容詞」です。

空港までバスと電車とどちらが速いですか。電車の方が速いです。
海と山とどちらが好きですか。どちらも好きです。
ディズニーランドとUSJとどちらが楽しかったですか。USJの方が楽しかったです。

「A」〔の中〕で「何、どこ、だれ、いつ」がいちばん「形容詞」ですか。ー「B」がいちばん「形容詞」です。

クラスでだれがいちばん背が高いですか。李さんがいちばん背が高いです。
1年でいつがいちばん寒いですか。2月がいちばん寒いです。
日本でどこがいちばんよかったですか。京都がいちばんよかったです。

「Aの中で」の「で」は”範囲を表す「で」” 。新しい「で」の用法です

「どれ」はテキストに出てませんが、二つの比較の場合「どちら」、三つ以上の比較の場合「どれ」になるということも確認しておくとよいでしょう。

以上です。

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