「日語総合教程」第六冊 第8課「企業内の聖人」星新一 を読みます。
前回(こちら)の続きです。
しかし、芝居は筋書き通りに進まなかった。なにしろ彼は責任感が強く、寝食を忘れて解決に熱中した。足を棒にして歩きまわり、詐欺団の一味を追いかけ、なんとか製品をかえすか金を払うかしてくれと頼み、交渉を重ね、飽きることなく続けるのだ。
法律上は支払うことはないのだと突っぱねても、あきらめてくれない。暴力で脅かしても効き目がない。あげくのはて、人徳に引き込まれる。ついに詐欺団たちも音をあげ、人事部に泣きついてきた。
「せっかくのお頼みなので、やってはみましたが、もう手を引かせてもらいます。あいつに付き纏われていたら、一生を棒にふりそうだ。なにしろ毎日付き纏われ、つぎの詐欺もできない。それに、ああいういい人をだましたと思うと、いやな気分だ。そんな気分が高まってきたら、詐欺団の商売ができなくなってしまう。
かくして、取込み詐欺の一件は解決となった。人事部一同、このことで良心がうずき、深く反省した。コンピューターがどう言おうと、とても彼を首にはできぬ。
この秘密計画を知らない者たちにとっては、彼が会社の損害を防止したものと見えた。なるほど、いざとなると底力を発揮する人物らしいと。現実は、ひそかにしくまれた芝居だったのだが……。
そのムードの中で、また祭り上げ方式が採用された。それが企業のためであり、そうする以外にどうしようもないのだ。昇進の形で、社史編集室長という閑職へ移された。
しかし、芝居は筋書き通りに進まなかった。

但是剧情并未按剧本所写的那样进行下去,
因为他责任感很强,废寝忘食地投人到解决问题之中,
疲惫不堪地到处奔波,追赶诈骗团伙的同伙,请他们要么退还产品,要么付款,不厌其烦地持之以恒地反复交涉。
・一味(いちみ):同じ目的をもった仲間。特に、悪事を企てる仲間。「窃盗団の一味に加わる」「一味徒党を組む」
法律上は支払うことはないのだと……
即使诈骗团伙严词拒绝说“从法律上讲不必支付”,他也不肯作罢。
暴力威胁也没有效果,
最后的结局是被品德拉了过去。
终于诈骗团伙也叫苦不迭,来央求人事部了。
「せっかくのお頼みなので、……

‘承蒙您特意交办,我们也就做了,可是现在请允许我们中途收手,
被那家伙缠住,一生都要白白断送。
总之每天被他缠住,其他的诈骗也无法开展,
并且一想到骗这么好的人心情就会不好。
这种心情如果多起来,诈骗团伙的买卖就无法做下去了。”
かくして、取込み詐欺の一件は……
就这样诈骗商品的事件解决了,
人事部全体因此事良心被刺痛,深深地进行了反省,
计算机(的数据)不管怎么说,也难以将他解雇。

而不知道这个秘密计划的人们,则看到了他使公司免受损害的形象。
果然,是个在危急时刻似乎能发挥潜能的人。
虽然现实是暗中导演的一场戏….
そのムードの中で、また……
在这种气氛中,抬高的做法被再次采用。
这是为了企业,此外再无别的办法。
以提升的形式,让他转到社史编辑室主任的闲职上去。


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