「まちまち」と「ばらばら」の違いについて考えましょう。
「まちまち」と「ばらばら」:不統一
「まちまち」と「ばらばら」は共に「不統一」である状態を表し、「」以下の例文のように、置き換えてもあまり意味が変わらない場合もあります。
- ごみの分別方法や収集日は自治体によって(まちまち/ばらばら)だ。
商品のサイズが(まちまち/ばらばら)だ。
- 天候は地域ごとに(まちまち/ばらばら)だ。
「まちまち」:多様と「ばらばら」:未整理
同じ「統一されていない状態」でも観察者の捉え方によって異なる印象を持ちます。以下のような例では「まちまち」「ばらばら」どちらも使えますが、ニュアンス、意味が異なります。
- あの会社は社員の服装が(まちまち/ばらばら)だ。
→ まちまち:〔多様〕スタイルや雰囲気が人それぞれ個性的
→ ばらばら:〔無秩序〕まとまりがなく雑然としている
参加者の意見は(まちまち/ばらばら)だった。
→ まちまち:〔多様〕いろいろ違うが対立せず、それぞれ意義がある
→ ばらばら:〔まとまらない〕一致せず、勝手に主張する印象
「まちまち」は「多様」であること、「ばらばら」は無秩序で「未整理」
であることを表します。
「ばらばら」:分散
以下の例は「ばらばら」しか使えない例です。
- 引っ越したばかりで家具が(〇ばらばら/✕まちまち)に置かれている。
通路上に部品が(〇ばらばら/✕まちまち)に散乱している。
(〇ばらばら/✕まちまち)に行動して迷子にならないように。
書類が風に飛ばされて(〇ばらばら/✕まちまち)になった。
これらは「不統一」という枠を超えて、「本来まとまった方が良い物が、分散あるいは分解」した状態であることを表す「ばらばら」の別の意味と考えればよいでしょう。
以上、日本語能力試験N1直前対策ドリル&模試「文字・文法。語彙」(Jリサーチ社刊)、Chat GPTなどを参照しました。
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