みんなの日本語(初級1)第6課のポイントについてまとめます。
私は 本を 読みます。
この課から他動詞が出てきます。助詞「を」が初出ということになりますが、特に自動詞、他動詞の概念を教えるより、第5課からの流れで、
- 「行きます」の「場所」が「会社」→「私は会社へ行きます。」
- 「行きます」の「方法」が「バス」→「私はバスで行きます。」
- 「行きます」の「同行者」が「家族」→「私は家族と行きます。」
- 「読みます」の「対象」が「本」→「私は本を読みます。」
という風に「ヲ格」を導入してもよいかと思います。
動作場所の「で」に注意
助詞の用法は複雑で、特に「で」「に」はあしって多くの用法があり難しいということは、教える側は了解していても、学習者にとって助詞の二つ目の用法が出てくるのは初めて。第5課の手段を表す「で」に続いて、「で」には動作の場所を表す用法もあるのだということは、板書して比較するなど、ていねいに提示しましょう。
- 私は バスで 会社へ 行きます。(手段を表す「で」)(第5課)
- 私は 駅で 新聞を 買います。(動作の場所を表す「で」)(第6課)
勧誘「~ませんか」に対するこたえ
- あした テニスを しませんか。
- ええ、いいですね。
「Yes」よりも「No」の言い方の方が大切。これは第9課の会話に出てきますが、ここでも「No」ははっきり言わず、
- 明日は ちょっと……。
などと、日本語では言うのだと教えておいた方が無難ですね。
「何」、「なん」と読むか「なに」と読むか?
「毎朝 何を 食べますか。」「パンと卵を食べます。」
ここで学習者はたいてい、これまで「なん」と読んでいた「何」の読み方が「なに」に変わってしまうのはなぜか理由を知りたくなります。
- 「何」の後ろの音が「d、t、n」のどれかなら「なん」(なんで、なんと…)
- 「d、t、n」以外なら「なに」(なにか、なにも…)
- ただし答えとして数字を期待する疑問はすべて「なん」(なんぼん、なんかい…)
詳しくは以下の記事をご参照ください。
「これは何色?」どう読みますか?
「これはなにいろ?」「あかいろ」「これはなんしょく?」「4しょく」
「それから」「そして」について〔参考〕
接続詞初出となります。この段階では「それから」は時系列「~の後で~」の意味であると導入すれば、問題ないと思いますが。「そして」との本質的な違いなど教師としてはある程度説明できるようにしておくと、いいかと思います。
以下の記事をご参照ください。
以上です。
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