「担ぐ(かつぐ)」と「担う(になう)」の違いについて考えましょう。
動作としての「担ぐ」と「担う」
物理的動作としての「担ぐ」「担う」は「肩に乗せて支える」という共通の意味を持ちます。「担う」の方が、文章語的な言い方になります。
- 神輿(みこし)を担ぐ。肩に荷物を担ぐ。
- 十字架を担う。肩に米俵を担う。
「担ぎ上げる」「責任を担う」
抽象的な意味になると、「担ぐ」の方は「乗せる」→「上に乗せる」が強調され、「上に立つ者として押し立てる」の意味になります。「担う」の方は「肩にかけて運ぶ」意味あいから「下支えする」→「責任を持つ」という意味が強くなります。
- 彼は社長に担ぎ上げられた。
- 次世代を担う若手リーダーを育てる。
「担ぐ」→縁起を担ぐ、人を担ぐ
「担ぐ」は、「迷信にとらわれたり、縁起を気にしたりする」意味になり、さらに派生して「からかって人をだます」意味にもなります。
- 縁起を担ぐ。験(げん)を担ぐ。
- まじめな顔をして人を担ぐ悪いやつ。
以上、新装版「使い方の分かる類語例解辞典」(小学館)などを参考にしました。
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