「あたかも」「さながら」「まるで」の違いについて考えましょう。
「あたかも」「さながら」「まるで」
三つとも「対象をほかの事物にたとえて形容する」時に用い、多くの場合共通して使えます。違いとしては、①「まるで」→「さながら」→「あたかも」の順に改まった感じがすること、②「あたかも」は「誇張して例える」、「さながら」は「妥当なものに例える」、③「まるで」は「典型的なものに例える」傾向があります。
置き換え可能
- 2月なのに、あたかも春のように暖かい。
- 2月なのに、さながら春のように暖かい。
- 2月なのに、まるで春のように暖かい。
誇張、妥当、典型
- 彼の態度は、あたかも一国の君主のごとき崇高さであった。〔誇張して例える〕
- イベント会場は、さながらラッシュアワーの電車のような混雑だった。〔妥当なものに例える〕
- 彼女の笑顔は、まるでチューリップのようだ。〔典型的なものに例える〕
まとめ
以上をまとめます。
「あたかも」例文
- わずかのお金にもかかわらず、あたかも財宝をもらったかのような喜びようだ。
- 事故現場は、あたかも戦場のようであった。
- 彼らの所業は、あたかも一陣の風のごとし。
「さながら」例文
- 葵祭の行列は、さながら王朝絵巻の一シーンであった。
- 本番さながらのリハーサルであった。
- 戦場は、さながら地獄絵のようであった。
「まるで」例文
- ここ数日は、まるで真冬のような寒さだ。
- 彼はまるで機械のような正確さで仕事をこなした。
- まるで夢のようだ。
以上「ベネッセ表現読解国語辞典」(Benesse刊)などを参考にまとめさせていただきました。
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