「堪能」と「満喫」の違い

堪能 満喫

「堪能(たんのう)」と「満喫(まんきつ)」の違いについて考えましょう。

「堪能」「満喫」

ともに「十分に満足すること」という意味で、ほぼ100%入れ替えが可能。ただし「満喫」させてくれる対象物は「見てすぐわかるもの」がほとんどで、それに対し「堪能」させてくれるものは「見ただけではわからない、抽象的な物、概念」なども含むようです。

以下、微妙な違いを探ってみましょう。

満喫:見てすぐわかる

  • ドイツ料理を(〇満喫/〇堪能)する。①
  • ドイツビールを(△満喫/〇堪能)する。②

②では、例えばドイツビールを何種類も飲み、そのおいしさを十分味わったという意味にとらえることができます。料理と違ってビールは見た目はあまり変わりません。

満喫:たいてい複数、堪能:一つでも深く味わうことで堪能可

  • 先週の週末は京都へ行って、京都の秋を(〇満喫/〇堪能)した。①

  • ロマネ・コンティを(×満喫/〇堪能)できるような身分になりたいものだ。②

 同じ「京都の秋を味わう」でも、「満喫」の方は、寺社を見物したり、秋の味覚を味わったり、風景を楽しんだり、複数のことによって満足するイメージがあります。しかし、「堪能」するための要素は「数」ではなさそうです。

ロマネ・コンティ

堪能:そのために努力、才能、感性が必要な時もある

  • 秋の夕暮れ、京都北山の峠に小一時間も立っていると、日本人の「わび・さび」という感性を肌で感じ(×満喫/〇堪能)することができるだろう。

京都北山

「満喫」「堪能」違い まとめ

以上まとめると、どうやら「満喫」「堪能」の違いとしては、

才能、努力、感性が必要なものを十分味わう時は「堪能」が使いやすい。
そしてこのイメージの差は、「堪能」のもう一つの意味として「物事に優れている様子」を表す。例えば「あの人は語学に堪能だ」というような使い方があること。「満喫」は本来の意味が、「十分に飲み食いすること」という見ただけでわかりやすい状態を表す言葉であったことが影響しているのだと考えられます。
以上です。

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