「あける」「ひらく」の違いについて考えましょう。
「あける」と「ひらく」の違い
「あける」は「さえぎるもの、ふさいでいるものを取り除く動作」、「ひらく」は「合わさっていたものを離れさせる動作」を表します。また、「ひらく」は「心をひらく」のように抽象的な使い方が可能です。
- 鍵をあける。(×ひらく)〔鍵(錠)という遮るものをなくす〕
- 蕾がひらく。(×あく)〔たたみこまれた蕾が広がる〕
「あける」「ひらく」ともに使えるもの
先に言ったように、「あける」は「さえぎるもの、ふさいでいるものを取り除く動作」、「ひらく」は「合わさっていたものを離れさせる動作」ですから、その動作が「さえぎりを除く」「合わさったものが離れる」の両方の概念に当てはまるものは、「あける」「ひらく」のどちらも使えます。
あける | ひらく |
さえぎりを除く | 合わさったものが離れる |
・ドアを(あける/ひらく)。・窓を(あける/ひらく)。・口を(あける/ひらく)。・目を(あける/ひらく) | |
平面的な「あける」「ひらく」
あける | ひらく |
さえぎりを除く | 合わさったものが離れる |
・穴をあける。・鍵をあける。 | ・本をひらく。・指をひらく。・まぶたをひらく。 |
「目をひらく」「目をあける」はともに成立しますが、「まぶたをひらく」は言いますが、「まぶたをあける」は少し違和感があります。同じ動作でも「まぶた」と言い換えることで「合わさったものが離れる」という感覚が強くなるからのようです。
立体的な「あける」「ひらく」
3次元的なものになると「あける」は「ふさいでいるものを除く」という意味が、「ひらく」は立体的な広がりの意味が強くなります。なお、この場合の「あける」は「開ける」ではなく、「空ける」と書きます。
あける | ひらく |
ふさいでいるものを除く | 合わさったものが離れ、広がる |
・部屋をあける。・ビールをあける。・間隔をあける。 | ・つぼみが開く。・傘がひらく。・パラシュートがひらく。 |
抽象的な意味を表す「ひらく」
「ひらく」は抽象的な使われ方をします。「あける」にはそのような傾向はないようです。
ひらく |
・心をひらく。・道をひらく。・会議をひらく。 |
以上です。
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