「ふわふわ」と「ふかふか」の違いについて考えましょう。
「ふわふわ」と「ふかふか」
「ふわふわ」は、「ふわふわの子猫」のように、見た感じも触れた感じもともに柔らかい様子。「ふかふか」は、「ふかふかのソファー」のように、触れたり、体をあずけた時に押し返す力が弱い様子を示します。
オノマトペの法則
第一子音と第二子音の意味の違い
以前の記事(「オノマトペの法則」)でも書きましたが、ABAB型のオノマトペの第1音節の音と第二音節の音、つまりこの場合は「①FU+②WA」や「①FU+②KA」は①と②でそれぞれの役割があります。つまり①番目の子音は「触感」を表し、②番目の子音は「動き」を表すケースが多いのです。
2音節 ⇒ 1音節目の子音の音象徴「触感」、2音節目の子音の音象徴「動き」
つまり「ふかふか」「ふわふわ」の1音節目の子音は「F」で共通です。「F」は「浮」、食べ物の「麩」などの音であることからも「軽く、柔らか」なイメージを持つ音です。
「ふわふわ」と「ふかふか」の違いは2音節目の子音「w」「k」で決まりそうです。が、ここで「w」は半母音ですから子音としては半人前。後ろの「a」と結合した「わ」が絞殺の対象になります。
「わ(wa)」と「k」の音象徴
「わ(wa)」は「a」の明るく開放的な印象から広がっていくイメージ、kは「kan」「kon」などの音で「空洞(を通る音)→上下内外方向への動き」を表し、内部に入っていくイメージがあります。「ふわふわ」「ふかふか」の違いはここにあります。
以下、よく似たオノマトペで比較してみましょう。
「シュワシュワ」と「しゃきしゃき」
「シュワシュワ」は炭酸が上がってきて「わー」で拡散していく感じ、「しゃきしゃき」は主に食感を表し、レンコンなどを噛んで「サクサク」食べる時、歯がレンコンの中に入っていく感じを表しますね。
「ざわざわ」と「ザクザク」
「ざわざわ」は音がさざ波のように拡散していく感じ、「ざくざく」は例えばたくさんの金貨の中に手を突っ込んだ時に感じる音と皮膚感覚を表しているようなイメージがありますね。
以上です。
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