「とりわけ」「ことに」「とくに」の違いついて

「とりわけ」「ことに」「とくに」の違いついて考えましょう。

「とりわけ」「ことに」「とくに」の違い

 すべて際立った対象を取り上げる表現で、多くの場合共通して使えるが、「とりわけ」は「全体が標準を超えている中で突出している」ことを示すレベルが高い。「とくに」は他の2つにない「意思」表現、「否定」表現が可能。また「ことに」は「△ことに猫が好き」「〇ことに好きなのは猫」のように語順を選ぶ場合がある。

京都はとりわけ夏がいい

  • 京都はとりわけ夏がいい。①
  • 京都はことに夏がいい。②
  • 京都はとくに夏がいい。③

 すべて成立しますが、①の「京都はとりわけ夏がいい」は他の季節も、もちろんいい。そんな中で際立って、というイメージを最も伝えてくれます。他の季節の良さという観点では「①>②>③」の順でしょうか。

「とくに」は主観表現、否定表現で使える

  • 今回はとくに君を選んだ。(意思)
  • 私はとくに魚が好き。(嗜好)
  • 私からはとくにありません。(否定)
  • 彼がとくに悪いということはない。(否定)

 これらは「とりわけ」「ことに」が使いにくいケースです。

「ことに」が使いにくいケース?

 以下を比較すると

  • 動物が好きだ。とりわけ犬が好きだ。①
  • 動物が好きだ。ことに犬が好きだ。②
  • 動物が好きだ。とくに犬が好きだ。③
  • 動物が好きだ。とりわけ好きなのは犬だ。④
  • 動物が好きだ。ことに好きなのは犬だ。⑤
  • 動物が好きだ。とくに好きなのは犬だ。⑥

 私は⑤に違和感を感じるのですが、みなさんはどうでしょうか?(本件は検討中です。個人差もあると思います。みなさんのご意見お待ちしております。)

まとめ

 以上をまとめます。

「とりわけ」「ことに」「とくに」の違い(まとめ)

以上です。

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