みんなの日本語(初級1)第4課のポイントについてまとめます。
みんなの日本語では初級第4課ではじめて正式に「動詞」を学ぶことになります。しかし、実際にはそれまでにいくつか動詞の「ます形」の変化形が現れています。まずは学習者にこれまで出てきた「ます形」表現について思い出してもらってから本文に入るのもいいかもしれません。
第3課までに既出の「ます形」表現
- 始めましょう。(Let’s…)(p5 教室の言葉)〔第6課で学ぶ〕
- わかりません。(否定形)(p5 教室の言葉で学ぶ〕
- ミラーさんもいっしょに行きませんか。(勧誘)(p4 イントネーション)〔第6課で学ぶ〕
- アメリカから来ました。(過去形)(p7 第1課)〔第4課で学ぶ〕
以上のように、かなりフライング気味で、各種の言い方が学習者には提示されているのですが、第4課から第6課で、こういった表現について正式に学んでいきましょう、と学習者に認識していただくのもよいかと思います。(動詞としては第3課会話部分に「そのワインを見せてください」という「テ形」表現も出ていますが、テ形は第14課で学ぶ内容となりますので、ここではスルーしておくのが無難だと考えます。
何時何分の言い方
ここまでで、助数詞のついた数字の読み方がなかなかやっかいであることを学習者は認識しています。何時何分の言い方についても、どの部分の音が変化するか、よく整理してからくり返し練習しましょう。(赤字部分が要注意です)
数字 | 読み方 | 時間 | 読み方 | 分 | 読み方 | 分×10 | 読み方 |
1 | いち | 1時 | いちじ | 1分 | いっぷん | 10分 | じゅっぷん |
2 | に | 2時 | にじ | 2分 | にふん | 20分 | にじゅっぷん |
3 | さん | 3時 | さんじ | 3分 | さんぷん | 30分 | さんじゅっぷん |
4 | し/よん | 4時 | よじ | 4分 | よんぷん | 40分 | よんじゅっぷん |
5 | ご | 5時 | ごじ | 5分 | ごふん | 50分 | ごじゅっぷん |
6 | ろく | 6時 | ろくじ | 6分 | ろっぷん | ||
7 | しち/なな | 7時 | しちじ | 7分 | ななふん | ||
8 | はち | 8時 | はちじ | 8分 | はっぷん | ||
9 | く/きゅう | 9時 | くじ | 9分 | きゅうふん | ||
10 | じゅう | 10時 | じゅうじ | 10分 | じゅっぷん |
時間、曜日、「…から…まで」の練習
- 今何時ですか。○時○分です。
- 今日は何曜日ですか。○曜日です。(曜日も正式には第4課で導入)
- 午前、午後、○時から○時まで、○日から○日まで…
この辺りは難しくはないですから、練習しながら導入していけばよいと思います。
「…から…まで」板書例
小さなことですが、例えば「AからBまで」を英語、中国語との対比で以下のように、少しずらして板書するだけで、日本語は「後置詞」言語なのだ、と気づかせることができます。
ます形の否定形、過去形、過去の否定形
第4課のポイントはこのあたりになります、
- 「土曜日、働きますか。」「いいえ、働きません。」
- 「昨日、勉強しましたか。」「いいえ、勉強しませんでした。」
時間軸を示して以下のように、例文付きで提示してはいかがでしょう。
非過去形の示すもの
過去形が過去のことを表すのは問題ないとして、非過去形が表すことができるのは、「未来の動作」「習慣性の動作」のどちらかであることを理解いただくのがポイントです。
- 明日、勉強します。(未来)
- これから、勉強します。(未来)
- 毎日、勉強します。(習慣)
(非過去形で「現在」を表せるのは「います、あります」のような存在を示す動詞ですが、ここでは言及しなくてもいいでしょう。)
「現在」はどう表す?
では「現在」はどう表現するのかと、普通は質問が出るのが普通ですがそれ は「て形」という別の変化形で表すのです、なかなか複雑な変化(音便)をするので第14課でまた勉強しますよと予告しておくのがよいでしょう。
以上です。
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