「かた」を含む言葉
「肩」「敵」「刀」「偏る」「傾く」「片仮名」の共通点は何かといきなり聞かれても漢字をみているだけではちょっとわかりません。しかしこれらをひらがなで書くと「かた」「かたき」「かたな」「かたよる」「かたむく」「かたかな」となりすべて「かた」がつく仲間言葉です。
大和言葉(やまとことば)としての「かた」は、
- ① 二つあるものの一方
- ② バランスの悪い状態
- ③ 不完全なモノ
を意味する言葉だったようです。
担ぐ(かつぐ)
「肩(かた)」は体の左右にひとつずつありますから「かた」そのものです。その「肩」に動詞化の接尾語「ぐ」がついた「肩ぐ(かたぐ)」が「かつぐ」→「担ぐ」になりました。
「肩」の動詞形は?と聞かれても日本人でも答えられる人は少ないでしょう。
敵(かたき)
「敵(てき)」は大和言葉で「かたき」です。「片き」の「き」は、「翁(おきな)」「イザナキ」の「キ」と同じでもともと「男性」を表します。
参考までに「イザナミ」の「ミ」は女性ということですね。
刀(かたな)
片刃に作った太刀(たち)を指します。「な」は「刃」の古い読み方です。
「偏る」「傾く」
「かたよる」「かたむく」については以前コメントしたことがあります。
本来外国語である中国語の漢字を大和言葉に当ててしまったので、言葉の成り立ちがわかりにくくなっていますが、本来なら「偏る → 片寄る」「傾く → 片向く」と表記すれば意味が良くわかります。
片仮名(かたかな)、片言(かたこと)
漢字(真名)に対して正式ではない「仮の文字」として作られたのが「平仮名(ひらがな)」と「片仮名(カタカナ)」。「片仮名(カタカナ)」は漢字の一部をとった「不完全な仮の文字」ということになります。
「片言(かたこと)」も言葉が少ないというよりも「不完全な言葉」という意味で使われます。
- 彼女はまだ片言の日本語しかしゃべれない。
「かた」まとめ
以上「かた」由来の言葉をまとめると以下のようになります。
(以上、新明解語源辞典 小松寿雄、鈴木英夫編 などを参考にしました)
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