「とにかく」「ともかく」

「ともかく」「とにかく」

「とにかく」「ともかく」を比較しましょう。

「日語総合教程」第六冊から

 以下、上級日本語テキスト「日語総合教程第六冊」からの引用です。

・「全然何の役にも立たないところがいいじゃないか。そこにいるだけでおもしろいんだから。」とでも答えておくしかないが、これでは子供への解答になるまい。それはともかく、動物の行動を見ているだけでも、私には楽しい。
P153「いのち」阿部昭
・この土地の人には真っ黒な海を想像しろと言っても、無理な注文かもしれない。とにかく、初めて見る日本海の水のきれいなこと、これはやっぱり印象的である
P254「香住から白兎海岸へ」(阿部昭)

「とにかく」「ともかく」の例文

 以下の4つの例文を比較してください。

  1. ぐずぐず言わずにとにかく勉強しなさい。〇
  2. ぐずぐず言わずにともかく勉強しなさい。△
  3. 見た目はとにかく、おいしいよ。△
  4. 見た目はともかく、おいしいよ。〇

 上の4つはすべて成立する文ですが、2.3.は少し違和感があり、1.4.の言い方がしっくりくるようです。これらの特徴はなんでしょうか?

  • ぐずぐず言わずにとにかく勉強しなさい。①
  • 見た目はともかく、おいしいよ。②

 文①で、話者は「なにはさておき」勉強すること。つまり第一優先の事項を述べているのに対し、②では、見た目も大事は大事だけれど「とりあえず考慮せずにいると」おいしいよ。ということを言っています。

  • とにかく:他はすべて後回しで一番大事なことは…
  • ともかく:他のこといったん置いておいてとりあえず…

 というニュアンスの差があります。

「とにかく」「ともかく」AI作画

とにかく 、ともかくの違い(ChatGPT作画)

〔参考〕「とかく」の語源

 「とにかく」「ともかく」のもとになった言葉に「とかく」があります。この言葉の語源は、「と:あのように」「かく:このように」という二つの副詞を重ねたもので、もと(平安時代)は「あれこれと」の意味だったそうです。

 これが以下のように「あれこれと」→「ややもすると」→「いずれにしても」と意味が多様化していったようです。
「とかく」「とにかく」「ともかく」意味変遷流れ

この「いずれにしても」の意味を引き継いだのが「とにかく」、さらに変化したのが「ともかく」ということかもしれません。

以上です。

 

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