「様子」を表すさまざまな表現「~んばかりだ」「~とばかりに」「~ともなく」「~ながらにして」「~きらいがある」などについて比較します。
「~んばかりだ」「~とばかりに」「~ともなく」「~ながらにして」「~きらいがある」
「~んばかりだ」
「~んばかりだ」:「まるで~しそうなほどの状態である」は、実際にはそこまでいかないが、それに近い状態を表します。全体として程度が普通でないことを表します。・頭を床につけんばかりにして詫びたのに、許してくれなかった。
・割れんばかりの拍手が巻き起こった。
・割れんばかりの拍手が巻き起こった。
「~とばかり(に)」
「~とばかり(に)」:「実際は言わないが、~と言うような態度・行動をとる」。ほかの人の様子を形容する時に使い、話者自身のことはいいません。
・ケーキを買って帰ったら、「待ってました」とばかりにみんなが集まってきた。
・市長と語る会では、住民たちはこの時とばかりに、いろんな意見を言った。
・市長と語る会では、住民たちはこの時とばかりに、いろんな意見を言った。
「~ともなく・~ともなしに」
「~ともなく・~ともなしに」:「自分で~しようとはっきり意識しないまま、ある動作を行う」は、限定された意志動詞(見る・聞く・待つなど)につきますが、目的なく無意識に動作を行っていることを表現します。

・テレビを見るともなく見ていたら、友人が出ていた。
・朝起きて、何するともなくぼんやりしていた。
・ラジオを聞くともなしに聞いていたら、眠ってしまった。
・朝起きて、何するともなくぼんやりしていた。
・ラジオを聞くともなしに聞いていたら、眠ってしまった。
「~ながらに(して)」
「~ながらに(して)」:「~のまま変わらない状態」、限定された言葉にしかつきません。
・彼女は生まれながらにして優れた音感をもっていた。
・この辺りは、昔ながらの雰囲気が残っている。
・その女性は、母親との死別を涙ながらに語った。
・この辺りは、昔ながらの雰囲気が残っている。
・その女性は、母親との死別を涙ながらに語った。
「~きらいがある」
「~きらいがある」:「~という良くない傾向・性質・くせがある」主に人を批判して言います。話者自身のことには使いません。・彼は物事を悲観的に考えるきらいがある。
・うちの部長は自分と異なる意見を認めようとしないきらいがある。
・うちの部長は自分と異なる意見を認めようとしないきらいがある。
問題
問題です。( )内に入れるのに適当なものを選んでください。
(1)彼女は、周囲を( )の行動力の持ち主だ。
1.圧倒せんばかり 2.圧倒するとばかり 3.圧倒したとばかり
(2)試合中、ちょっと横を( )カンニングと間違われた。
1.見んばかりに 2.見たとばかりに 3.見たばかりに
(3)誰に( )「春だなあ」とつぶやいた。
1.言いながらにして 2.言うともなく 3.言うとばかりに
(4)失敗して落ち込んでいたら、( )みんなに肩をたたかれた。
1.元気を出さんばかりに 2.元気を出したばかりに
3.元気を出せとばかりに
(1)1.(2)3.(3)2.(4)3.
以上、新完全マスター「文法」日本語能力試験N1(スリーエーネットワーク社)などを参考にしました。




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