動作動詞Ⅱ〔N1語彙〕

日本語能力試験N1レベルの動作動詞について整理します。前回に続く2回目です。まず問題を解いてから、意味・用法を確認してください。
（問題は表題の５つから適語を選んでください。必要あれば正しい形に変えてください。回答は各セクションの下部にあります。）

「またぐ」「渡る」「横切る」「乗りこえる」「くぐる」

またぐ	「跨ぐ」：またを開いて物の上を越える。「敷居をまたぐ」「人をまたいで叱られる」
渡る	「渡る」：間を隔てているものを越えて向こう側に移る。「ドーバー海峡を泳いで渡る」
横切る	「横切る」：あるところを横の方向に通り過ぎる。「通りを横切る」「人影が視界を横切る」
乗りこえる	「乗り越える」：物の上を越えて向こう側へ行く。危機を脱する。「塀を乗り越える」「難関を乗り越える」
くぐる	「潜る」：物の下やすき間などを通り抜ける。「トンネルをくぐる」

「くぐる」「またぐ」「横切る」「乗りこえる」

１．渡って、２．乗りこえて、３．横ぎって、４．またぎ、５．くぐって

つなげる	「繋げる」：結びつけて一続きにする。「二点間を点線でつなぐ」
重ねる	「重ねる」：同種のものをさらに置き加える。「皿を重ねる」「両手を重ねてひざに置く」
並べる	「並べる」：列をつくるように、或いは隣り合うように位置させる。「彼とはかつて机を並べて仕事した」
結ぶ	「結ぶ」：糸、ひもなどを絡み合わせて離れないようにする。「糸を結ぶ」「靴ひもを結ぶ」
つめる	「詰める」：容器などに隙間なくいっぱいに入れる。「スーツケースに荷物をつめる」「油揚げに酢飯をつめる」

１．重ねて、２．並べる、３．結んで、４．つめる、５．つなぐ

なでる	「撫でる」：手のひらなどで表面に触れ、かるくこする。「子犬の頭をなでる」「あごをなでて考える」
こする	「擦る」：物を強く押し当てたままで動かす。「バイオリンは弦を弓でこすって音を出す楽器だ」
みがく	「磨く」：こすって汚れを落としたり艶を出したりする。「歯を磨く」「モップで床をみがく」
もむ	「揉む」：手のひらや指でものをつまむようにしてくり返し圧力を加える。「塩をふってキュウリをもむ」「肩をもむ」
おす	「押す」：手前から向こうに力を加える。「駅で背中を押された」「発車ボタンを押す」

１．みがく、２．こすって、３．もんで、４．おして、５．なでて

「なでる」「こする」「みがく」「もむ」

引き止める	ある行動に出ようとする人を思いとどまらせる。「辞任を引きとどめる」
引き起こす	①倒れたものを引いて起こす ②（ある事象）を生じさせる「腕をつかんで引き起こす」「不注意から大惨事を引き起こした」
引き返す	進んできた道を元へ戻る「今来た道を引き返す」
引き取る	①引き受けて自分の手元に置く ② 死ぬ「不良品を引き取る」「息を引き取る」
引っ込む	①突き出たものが元の状態に戻る ②退いて別の場所へ行く「無理を通すと道理が引っ込む」「店をたたんで故郷に引っ込む」