目的を示す「~に」「~ために」「~のに」について

(目的)「に」「ために」「のに」

目的を示す「~に」「~ために」「~のに」について考えましょう。

目的を示す「~に」「~ために」

 目的を示す「に」「ために」とは次のような例です。「に」「ために」1

 この例では、意味上の差異はあまりなさそうです。 

 標準的日本語教材「みんなの日本語」では初級第13課で、述語動詞の動作目的を示す「に」を学びます。

  • 私は フランスへ 料理を 習い 行きます。(みんなの日本語13課文型3)①
  • 冬休みは 北海道へ スキー 行きました。(みんなの日本語13課例文6)

 上の文①で「~に」を「~ために」に変えても大丈夫のようです。

  • 私は フランスへ 料理を 習うために 行きます。②

 「料理を習う」を「自分の店を持つ」に変えてみると

  • 私は フランスへ 自分の店を持ち 行きます。△③
  • 私は フランスへ 自分の店を持つために 行きます。〇④

 「~ために」の方がしっくりいきます。

「~に」で示される目的に比べて、「~ために」で示される目的は「より意志的(主体的)な利益を求める行動目的」であるようです。下の図のように、

「に」「ために」2

利益を追求する主体的な行動を強調するような「急いで行く」「働く」という述部に換えてみると「食べるために急いで行く」「食べるために働く」は成立しますが、「×食べるに急いで行く」「×食べるに働く」は成立しません。

 目的をしめす「~ために」は第42課に出てきます。

  • 将来 自分の店をもつために、貯金しています。(みんなの日本語42課文型1)
  • 家族のために 一生懸命働きます。(みんなの日本語42課練習A)

 この例では「~に」は使えませんね。

目的を示す「~のに」

 「みんなの日本語」同じく42課では、「~ために」と並んで目的を示す「~のに」を学びます。

  • この靴は 山を歩くのに いいです。(みんなの日本語42課文型2)
  • 家を建てるのに 2000万円 かかります。(みんなの日本語42練習A)

 この「~のに」は、たとえば「山を歩く」という目的に対しての「評価」を表しています。

「に」「ために」3

まとめ:目的を示す「~に」「~ために」「~のに」

 以上、まとめます。

目的を示す「~に」「~ために」「~のに」まとめ

目的を示す「~に」「~ために」「~のに」まとめ

以上、みんなの日本語初級1,2(第二版)、初級を教える人のための日本語文法ハンドブック(共にスリーエーネットワーク社刊)などを参考にまとめました。

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