「縮む」と「縮まる」の違いについて考察しましょう。
「縮む」「縮まる」
「縮む」は「①物が始めより小さくなること」、「縮まる」は「②物、コトが縮んだ状態になる」あるいは「③物、コトが縮んだような状態になる」ことです。
①、②、③それぞれの例文を示します。
- ① スカートを洗濯したら縮んだ。
- ② 戦後50年で女子高生のスカートの長さは50センチ縮まった。
- ③ 1位と2位の差が縮まる。
①と②

「縮んだスカート」と「縮まった女子高生のスカート」
③「1位と2位の差が縮まる」「記録が縮まる」「寿命が縮まる」などは、物が小さくなるわけではありませんが、たとえば「差」が縮まると「間の空間が縮んだような状態に見える」と空間や抽象概念であっても小さくなることを「縮まる」で表します。
「縮む」「縮まる」(図で理解)
「伸びる」「伸ばす」との関連
「伸びる」(自動詞)「伸ばす」(他動詞)とは以下の関係にあります。

「伸ばす」「伸びる」「縮む」「縮まる」「縮める」
- ① ズボンが縮む。(自動詞)
- ② ズボンを縮める。(他動詞)
他動詞「縮める」と比較するとより分かりやすくなります。①は「洗濯してズボンが縮んでしまった。」ということで、②は「買ってきたズボンが長いので裾を切って縮めた」という意味になります。
「伸びる」「伸ばす」「縮む」「縮まる」「縮める」例文比較
以下、図中に例文を書きこんでまとめます。

「伸ばす」「伸びる」「縮む」「縮まる」「縮める」2
以上、時間をあらわす基礎日本語辞典 森田良行著(角川ソフィア文庫)などを参考にまとめました。
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