「すぐ」「直ちに」の違いについて考えましょう。
「すぐ」と「直ちに」
「すぐに」「直ちに」は共に、①ある状況が成立してから、時間的に隔たりがないことを表します。「すぐに」の方は比較的長い時間にも用います。「直ちに」の方がやや文章語的。②「すぐに」は(Ⅰ)あるきっかけから新しい事態が展開する際に使う用法、(Ⅱ)距離的に隔たりがないことを表す用法があります。一方、③「直ちに」には時間・空間的に「連結」していることを表す用法があります。
- ① 食べてすぐ動くのはよくない。
- ① 食事後、直ちに運動するのは良くない。
- ①日本語なんてすぐマスターできますよ。(×直ちに)
- ②(Ⅰ)私はすぐ人の言うことを信じてしまう。(×直ちに)
- ②(Ⅱ)角を曲がるとすぐのところにあります。(×直ちに)
- ③失敗は直ちに死につながる。(△すぐ)
以下、順に解説します。
①時間的に隔たりがないこと
- 着いたらすぐお知らせください。
- 到着後、直ちに連絡してください。
- 食べてすぐ動くのはよくない。
- 食事後、直ちに運動するのはよくない。
以上のような用例では、時間的隔たりにはあまり差がありません。「直ちに」の方がやや文章語的状況で使われやすいという差があります。ただし、「すぐ」には、
- 日本語なんてすぐマスターできますよ。(×直ちに)
- 安物を買ったらすぐ壊れてしまった。(×直ちに)
のような、長いタイムスケールの文脈で使うこともできます。以下にまとめます。
②「すぐ」は(Ⅰ)きっかけから新展開、(Ⅱ)場所の隔たりがないこと、も表す
「すぐ」は「ちょっとしたきっかけで新しい事態が展開する」状況を表します。
- あの人はすぐ怒ります。(×直ちに)
- 私はすぐ人の言うことを信じてしまう。(×直ちに)
「すぐ」は「距離的に隔たりがないこと」を表します。
- あの人の家はすぐそこです。(×直ちに)
- すぐ近くのスーパーで買い物を済ます。(×直ちに)
③「直ちに」は時間・場所が「連結」している状況を表す
「直ちに」は「間に他の物を介在させない」=「連結している」状況を表します。
- 失敗は直ちに死につながる。(△すぐ)
- 部屋の前から直ちに海につながっている。(△~〇すぐ)
まとめ
以上を以下にまとめます。
以上です。
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