「せいぜい」「たかだか」の違いやそれぞれの意味について考えます。
限界値をしめす「せいぜい」と「たかだか」の違い
せいぜい(精精)は ”がんばる”イメージ
「せいぜい」が「どんなに努力してもその限度を超えない」限界値を表すのに対し、「たかだか」は(努力するしないは考えず)「対象を客観視した場合の」限界値を示す。
- 〇 いくら頑張っても、せいぜい75点ぐらいだろう。
- △ いくら頑張っても、たかだか75点ぐらいだろう。
- 〇 今の実力なら、(せいぜい/たかだか)75点ぐらいだろう。
たかだか(高高)は ”プラス側” イメージ
「たかだか」はマイナス側への振れに使えない
例えば、
客:「この59,800円のパソコン、まけてもらえませんか?」
という問いに、お店の人が答える時、例えば800円引いて、59,000円なら可能だという時、値引きした後の値段59,000円を言っても、値引き額の800円を言っても、どちらでもいいのですが、
- 〇「そうですね、まけても せいぜい 59,000円ですね。」
- 〇「そうですね、まけても せいぜい 800円ですね。」
- △「そうですね、まけても たかだか 59,000円ですね。」
- 〇「そうですね、まけても たかだか 800円ですね。」
上のように、59,800円が59,000円に数字的にマイナスになった場合には「たかだか(高高)」は使いにくい感じがします。
「せいぜい+動詞」の用法
「せいぜい」には「できるだけ」という意味があります。この使い方は「たかだか」にはありません。
- 遊べる時に、せいぜい遊んでおこう。
- せいぜい、頑張ってください。
対象の「限度ぎりぎりまで」ということを意味しますが、「できるだけ」とほぼ同じように使うことができますが、「できるだけ」は限度の設定がなく、「せいぜい」は限度内で、という違いがあります。
「せいぜい頑張ってください」に注意!
この意味での「せいぜい」ですが、現在では「(がんばっても駄目でしょうが)できるだけ」という否定的な意味で用いられることが多くなっているようです。以下は三省堂国語辞典(第八版)の説明です。
①それ以上はないことを表す。多く見積もって。②〔あまり結果を期待しないが〕できるだけ。「ま、せいぜいがんばってくれ」③〔古風〕じゅうぶんに。「せいぜい、がんばってください」【註】年配者が③の意味で使っても、若い世代に②の意味に誤解されることがある。 三省堂国語辞典第8版から
「せいぜい」は限度まで、これに対して「できるだけ」は限度を超えていく可能性を秘めているということから、意味が変わってきたのかも知れませんね。
以上です。
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