「なおざり」と「おざなり」の違いについて考えましょう。
「何もしない」か「適当にやる」か
意味の違いは、はっきりしています。共に「いい加減」にするということでは同じですが、「なおざり」は「放置して何もしない」、「おざなり」は「表面上だけ適当に対応する」という違いがあります。
用法の違い
文法的な接続も「なおざり」は「なおざりにする」「なおざりになる」という形が多いのに対し、「おざなり」は「おざなりな~」「おざなりに~」という形で使います。
「なおざり」「おざなり」を使った例文
以下、それぞれの典型的な例文を列挙します。
・安全対策をなおざりにする | ・おざなりな報告ですます |
・調査がなおざりになる | ・おざなりな挨拶しかしない |
・子どものしつけをなおざりにする | ・おざなりな謝罪ですむもんだいではない |
「なおざり」「おざなり」の語源
よく似た言葉ですが、語源はまったく異なるようです。
「なおざり」は「直もざり」、「おざなり」は「お座なり」。まったく異なるルーツをもつ二語ですが、結果的に形も意味もよく似たものになってしまい、紛らわしいですね。
以上、新明解語言辞典(三省堂)、三省堂国語辞典〔第八版〕(三省堂)などを参考にさせていただきました。
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