魚に由来する日本語をまとめました。
サバを読む
「読む」は「数える」という意味。「サバを数える」ということなのですが。
数えることになり間違いがよく起こりました。たいていは多めに数えて承認が儲けたことから「ごまかす」意味になったようです。
とどのつまり
ボラはブリ、スズキなどと同じ代表的な「出世魚(しゅっせうお)」。出世魚というのは小さいときから成長するにしたがって名前が変わることからそう言われます。ボラは、オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド と名前を変えます。
あらさがし
「粗を探す」と書きます。「粗(あら)」というのは魚の身を切り分け(”さばく”といいます)たあとの残りの骨や頭といった残りの部分。
「粗を探す」とは「粗」に残った少量の身を探すということになり、そこから他人の小さな欠点や間違いをことさらに探し出し悪口を言ったりする意味に使われるようになりました。
にべもない
「ニベ」も魚の名前。70㎝ぐらいになるけっこう大きな魚です。この魚の浮袋がとても粘着性の高い物質だったことから接着剤の原料として使われたそうです。
ごり押し
鮴(ゴリ)は流れに住む小さな魚。流されないように普段は川底の石の間に潜んでいたり、石にぴったり身を寄せています。漢字では魚へんに休みと書くように、泳ぎ回らずいつも休んでいるように見えます。
そんなゴリは網にはかからないため、特別な方法で漁をします。それが「ごり押し」。
一方から川底をさらうように追い込んでいって、待ち構えた人がカゴですくい上げるというやりかたです。
無理やりこそぎ取るような強引な捕まえ方なので、強引に自分の意見を通す時などに「ごり押しする」と言うようになりました。
うのみにする
ひっぱりだこ
かまとと
「かまとと」の「かま」は「かまぼこ(蒲鉾)」のこと「とと」は魚のこと。かもぼこが魚から作られていることは日本人なら常識。ある人が「かまぼこはととか?」と改めて聞いたという話から、わざと知らないふりをしたり、うぶなふりをすることやそういう人のことを「かまとと」と言うようになりました。
「かまぼこ」と「ちくわ」の話
ところで「かまぼこ(蒲鉾)」と「ちくわ(竹輪)」、漢字で書けばわかるように「かまぼこ」は「蒲(の穂)」が語源のようです。しかし実際は「かまぼこ」より「ちくわ」の方が蒲の穂に似ています。
この理由はこういうことです。実は昔々は「ちくわ」しかなくて、今の「ちくわ」がその形が蒲の穂に似ているので「かまぼこ」と呼ばれていました。
時代が下って新製品現在の「いわゆるかまぼこ」が「新型かまぼこ」として誕生しました。この新型かまぼこが大人気となり、いつしか主流になり「かまぼこ」の名前を襲名したわけです。
そうなると「元祖かまぼこ=今のちくわ」には別の名前が必要になり新たに「竹輪(ちくわ)」という名前がつきました、ということらしいです。
(以上、新明解語源辞典、日本語「語源」辞典 学研 などを参考にさせていただきました)
コメント