「ついに」「なんとか」「どうにか」「まもなく」「いよいよ」の使い分け

「やっと」「とうとう」を中心に、これらによく似た「ついに」「なんとか」「どうにか」「まもなく」「いよいよ」などについて整理します。

「やっと」と「とうとう」の違い(復習)

「终于」に相当する「やっと」と「とうとう」の違いについて以前ご紹介しました。

「やっと」「とうとう」

「やっと」は、願う結果になった時だけしか使えないのでしたね。

「とうとう」と「ついに」の違い

「とうとう」と「ついに」はほぼ同じで入れ替えて使えるのですが少しニュアンスが異なります。

宿題完成「ついに」の例文を見ましょう。

  • 〇 宿題がついに完成した。
  • 〇 堤防がついに決壊した。
  • 〇 新しい星がついに発見された。
  • 〇 ついに降参した。
  • △ ついに冬になった。 ⇒ とうとう、やっと
  • △ 11時になってついに目が覚めた。 ⇒ とうとう、やっと
  • △ ついに日が暮れた。 ⇒ とうとう、やっと

「ついに」は瞬間的に新事態が実現する状況、「とうとう」「やっと」は時期が来れば必ず成立する状況に到達することを表す時に使いやすいようです。

「やっと」「どうにか」「なんとか」の違い

  • 合格したやっと合格しましたね。
  • どうにか合格しましたね。
  • なんとか合格しましたね。

いちばん失礼でないのはどの言い方? ⇒ 「やっと合格しましたね」です。

もともと実現可能性が高いことが努力などの末成功するのが「やっと」

「どうにか」「なんとか」は「好運にも」「限界を超えて」というニュアンスがこの順に増していきます。

「なんとか」は不可能なこともありうるという前提で使われるために、未来のことにも使えるのです。

「今からでも急げば、なんとか間に合うだろう。」

「とうとう」「いよいよ」「まもなく」の違い

 先程も言いましたが「とうとう」は、(予測された事態が)時期が来れば成立する状況。ですから最終状況へと段階を追って事態成立へ時間的に移行する「過程意識」に重きを置いた表現

 その過程の段階は時間的に「まもなく」⇒「いよいよ」⇒「とうとう」と表現することができます。

  • まもなく始まります、席に着いてください。
  • いよいよ始まります、ご静粛に願います。
  • とうとう始まりました。

 という時間のイメージです。

まとめ

 以上まとめると、以下のようになります。

 

「なんとか」「どうにか」「やっと」「まもなく」「いよいよ」「とうとう」「ついに」

「なんとか」「どうにか」「やっと」「まもなく」「いよいよ」「とうとう」「ついに」

以上、「違いをあらわす基礎日本語辞典」森田良行著 などを中心にまとめました。

 

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