日本の伝統芸能「歌舞伎(かぶき)」由来の日常語を集めました。
十八番(おはこ)
十八番:得意の芸、「部長のカラオケの十八番は『北国の春』だ。」
十八番と書いて「おはこ」と読みます。得意芸のこと。市川家がお家芸の歌舞伎十八番の台本を上の写真のような桐箱に入れ保管したのが由来。
二枚目(にまいめ)
二枚目:イケメン、帅哥のこと
芝居小屋の看板には一枚目に座頭や主役の役者、二枚目に色恋を演じる色男役の役者が掲げられることから。ちなみに「三枚目」には道化役の役者の名が記されたことから、滑稽な役回りをする人を「三枚目」といいます。
花道
花道:注目が集まる華やかな場面。「引退の花道を飾る」
「花道」は主に、惜しまれて引退する時などに使います。歌舞伎では客席後方から客席を通り舞台まで伸びる道で役者の登場退場時に使われます。
どんでん返し
どんでん返し:逆転すること。「この映画は最後にどんでん返しがある。」
物事が最後になってひっくり返ること。舞台で大道具を90度後ろへ倒し次の場面へと転換することをどんでん返しと言いました。
差し金
陰で指図し人を操ること。「有力者の差し金で動いている。」
陰で人を操ったり、そそのかしたりすること。もとは舞台上で黒い竿の先に蝶、小鳥、小動物などをつけて操る小道具を指す言葉です。
板につく
板につく:経験を積んでしっくり合う。「板についた司会ぶりだ。」
経験を積んで動作や雰囲気が地位や職業にしっくり合うこと。役者の演技が舞台(板)によく調和することから生まれました。
なあなあ
なあなあ:適当に折り合いをつけいい加減にする。「この件はなあなあで済ませない。」
慣れ合い、いい加減にすませること。登場人物の一人が、もう一人へ「なあ」と声をかけると、相手が「なあ」と返すことから来ています。
だんまり
だんまり:黙って何も言わない。「彼は何を聞かれても、だんまりを決めこんでいる。」
言葉を発しないこと。歌舞伎で暗闇の場面で台詞を発せず、黙ったまま互いを探り合う演出、場面をだんまりと言います。
幕引き(まくひき)
幕引き:物事が終わる。「自ら勇退して幕を引いた。」
舞台の定色幕を引き芝居が終わることから、物事の終わりを差す言葉になりました。
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